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ドルジェル伯の舞踏会 (新潮文庫)

価格: ¥420
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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傑作なのはわかるが ★★★★★
 12ページ11行目、「他の多くの家族が貴族の称号をそれで得たというような光栄ある機会などはまるで知らぬというのを、この一家は誇りとしていた」。固過ぎて意味わからず。フランス語の関係代名詞が頭の中を回虫のごとく蠢く。ああ、魔王トリスメジスト! まあ、三島が好きだと云うのはちょっと判るが…。ちなみに岩波版ではすごく分かりやすく書いてあったよ。こんな訳で読んじゃったから「肉体の悪魔」の方が好き。
フランス心理小説の傑作 ★★★★★
 ドルジェル伯爵夫人マオは、夫以外の男と恋をするなど思ったことがない。しかし或る日、ふと知りあった青年への恋心に苦悩するようになる。天才ラディゲが十九歳のときの作品で、緊密な心理解剖とその追求によって、二十世紀前半期を飾る心理小説の傑作といわれる。

 マオと青年の心理の歯車は精密に絡み合い、ティボーデが評するごとく、「各ページに、将棋のこまの動きとほとんど同じ男女の心の動きがあり、作者の確実で冷酷な操作に象牙と象牙のぶつかり合う乾いた音が感ぜられる」のである。まさにフランス心理小説の傑作といえる。

 マイニ女史は、『この小説では、心理がロマネスク』だという言葉にしても、『舞踏会』よりも『肉体の悪魔』のほうがよりふさわしいと説き、『悪魔』では至るところに、ランボーのもつ良い面を思わせる恋愛の静寂主義が見受けられるのに、『舞踏会』の中には、もはやペシミスム以外のものは存在しないと説く。ようするに女史は、『舞踏会』はいかにもこしらえものであり、それよりはまだしも『肉体の悪魔』をとるというのである。
 しかし『舞踏会』には『悪魔』には見られぬ緊密な心理解剖とその追求があり、やはりフランス心理小説の傑作の一つであることを否定することはできない。