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月と六ペンス (新潮文庫)

価格: ¥662
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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翻訳に不満あり ★★★☆☆
あくまでも個人的な印象でしかありませんが、この角川版を原文と対照しながら読みました。ストリックランドの野蛮さや狂気感がこの翻訳ではつたわりません。別の翻訳者で読むことをお勧めします。これだけの傑作は何種類かの翻訳や原文にあたり読む価値があると思います。
偉大なものを憐れむ贅沢 ★★★★★
私たちに尊敬されるのではなく愛される芸術家は
苦悩して生きているうちは決して成功しない極貧の狂人のようです。
さらに悲劇的な死をむかえれば、私たち庶民は
彼こそ真の芸術家だ!
と憐れみと崇拝の声をあげるでしょう。
偉大なものを憐れむという贅沢がこの本にはあります。

月と六ペンスという題名ですが
月は、人間をある意味、狂気に導く芸術的創造情熱を指すもので
六ペンスは、主人公がかなぐり捨てた、くだらない世俗的因襲、絆等を指したものだそうです。

つかみどころのない、どこか満たされない気持ちが人にはあるような気がします。
もし、その喪失感を埋めるためには、六ペンスを捨て月を手の中におさめようとする狂気が必要というのなら
私はこの本を読んだことで、何も失うことなく何の苦悩もなく
少しだけ満たすことができました。
感謝の気持ちで満点です。
ゴーギャン ★★★★★
ゴーギャンを題材に話が作られているという。

ゴッホのいろいろな話を読んだことがあるので、ゴーギャンが題材ならすごく、破天荒、非常識かと思った。

文章は、予想外にたんたんとしていた。

月と6ペンスは、どちらも○。
大きさがすごく違う。

自分の理解が、ひょっとしたら全く違っているかもしれない。
いわゆるエンターテイメント小説のはしりではないかとー ★★★★★
優れた物語作家には、いわゆる世間一般で代表作とみなされている作品と、通が選ぶもう一つの代表作,というものが結構あると思います。 例えばドストエフスキーなら”罪と罰”と”カラマーゾフの兄弟”、司馬遼太郎なら“龍馬がゆく”と”坂の上の雲”、黒澤明なら”七人の侍”と”生きる”という風に。 モームの場合、”月と六ペンス”は明らかに前者に属するもの(後者は”人間の絆”でしょう)だと私は思います。 無論、この際どちらの方が作品として上級かーなどどいう議論は野暮というもので、受け手は少し趣の違った二つの傑作を素直に楽しんでいればいいのではないでしょうか。

それにしても、独断かもしれませんが、この小説は20世紀に大量消費されることになるエンターテイメント小説のはしりーとも言える作品ではないでしょうか。  もちろん娯楽小説(伝奇もの、怪奇もの、探偵もの)というものはそれ以前からあったわけですが、そういう特殊な、リアル感をあまり求められない空想物語ではなく、かといって19世紀の偉大な文学作品のように、作者の思想や全人格をぶつけてくるようものでもなく、適度に重く、スリリングかつ、大衆にも知識人にも楽しめる小説のプロが生み出す物語ーという意味において、やはりこれはそういう小説の原型ではないかという気がするのです。  ストリックランドという芸術に取り付かれた男の破天荒な生き方、クライマックスの異常な緊張感、そして彼にマゾヒスティックなまでにいたぶられる画家や、その妻の行動ー。 どれをとっても面白く、しかもこういった登場人物たちに別に作者は感情移入をしているわけでもない冷徹さまでも明らかに見て取れます。 やはり、いわゆる”偉大な文学作品”のように、思想と作家自身が一体化した創作ではなく、プロの物語作家が、消費を前提として書いたエンターテイメントーそれもその最上のものーという気がするのです。 若い人でまだ未読の方には是非お勧めします。
ゴーギャン ★★★★☆
画家、ゴーギャンの伝記をもとにした小説。
伝記をもとにしただけあって、伝記みたい(笑

小説、というよりは、伝記、という意味で。

初めてモームを読んだので、こういう書き方が彼っぽいのかそうではないのか
よくわからないが、こういった書き方のものは
なんだか新鮮だった。

一番印象に残った個所は、ストリックランドが肉欲を恨んでいる、と言うシーン。
あそこだけがストリックランド自身が心情をを
表わしている唯一の場面だったのかなと思うが、
天才はそれすらも腹立たしいのかと思った。
それすら邪魔になるんだなぁと。

40歳から画家になり、歴史に名を残す事ができるなら、
私にもまだチャンスがあるのかも。
なんて、天才的な能力があるわけでもないのに、
夢が近付いた気になるような書物。

もう一度読もうと思う。