童心は大人になってからも健在だと気づかせてくれる本。
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カーテン屋さんをはじめた前向きおばあさんと、それを熱心にお手伝いする孫娘のはる子と、おしゃべりをする不思議な魔法のカーテンを中心に四季折々の季節感や様々な人や動物たちの人生をカーテンづくりのお仕事を通して、鮮やかにふんわり優しく彩ります。
特に、おばあさんの最高傑作か天の粋な計らいからかのおしゃべりな白いカーテンは、おばあさんに文殊の知恵を与え、ときには鬱っているおばあさんのお尻を叩いてくれるとっても素敵なお方です。
このお話のもう一つの魅力は、安房直子さん作品の特徴ともいえる、何ともおいしそうなお茶やお菓子の描写です。
『おしゃべりなカーテン』を読んだ方はきっと、熱い紅茶と何か小さな可愛らしいお菓子で午後のお茶をしたくなることでしょう。