またフランス菓子の強くて深い味わいを日本で再現するために、手順や食材に様々な工夫がこらされていて、それについてもひとつひとつ取り上げて、なぜこれを使うのか、こうするのかが書かれてあります。料理の手順の方も、誰もがおいしいお菓子を作れるように、非常に細かく指示されています。例えば材料のかきまぜ方ひとつとっても、かきまぜる木べらの角度、容器の大きさ、まぜる形、速度や回数(10秒間に25回で100回まぜる)などが指示されています。
理屈はさておき、まだ数種類のお菓子を作っただけですが、今までに手作りしたどのお菓子よりおいしくできました。著者主催のフランス菓子店「イル・プルー・シュル・ラセーヌ」のサイトにありましたが、ここのお料理教室でお菓子を作る様になると、お子さんが他のお店のお菓子を食べなくなるそうです。そのエピソードにもうなづける味でした。
とても価値ある1冊だと思います。
レシピだけではなく、コラムでの弓田さんのお話は興味深くて読み物としても楽しいです。お菓子に興味のある人は読んで損は無い!と思います。弓田さんの他の著書と比べても安価なので、最初に買うには良い本だと思います。