ガルシアとは、かつてアメリカとスペインがキューバをめぐって戦争をした際、キューバにいた反スペインのリーダーのこと。本書は、大統領からの依頼を受け、どこにいるかもわからないガルシアに手紙を届けたローワンという将校をモデルに、自らの力で物事に取り組むことや、目の前の課題に勇気をもって挑むことの重要性を説いている。
もともと『A Message to Garcia』はほんの数十ページの小冊子で、本書でも翻訳部分はわずか1章(25ページ)に収まっている。だが、その影響力は1913年の時点で4000万部印刷されたという事実から容易に推測できる。世界中が読んだ名著に手軽に触れられるという点が、本書の最大の価値といえるだろう。(土井英司)