共に演奏される機会が少ない曲らしいが、私の好きだったゲーテの詩に惹かれミニョンのためのレクイエム 作品98bを購入した。この曲は、ゲーテの生誕100年の合わせて、彼の詩「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」の中に登場する少女ミニョンの葬儀で歌われる詩に曲をつけたもので、カトリックの典礼とは全く関係は無い。詩と音楽との調和の素晴らしさは誰しもが認めるところ。
シューマン・レクイエム 変ニ長調 作品148は、シューマン最後の大作。ブラームスに「自分自身のために書いている」と語った曲で、プロテスタントの彼は構成から見てカトリックの典礼用ではない。シューマンらしい内向的で鬱々と沈み込むような曲は、聴いていて痛ましくなるほど。