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刺青の男 (ハヤカワ文庫 NV 111)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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刺青のように心に刻まれる短編集 ★★★★★
SFの叙情詩人による珠玉の短編集です。
これまで色々な短編小説を読んできましたが、この作品集ほど印象深い名品が揃っている本はありませんでした。

名作「万華鏡」のラストは有名ですが、私が大好きなのは次の作品です。

「今夜限り世界が」は、世界の終わりという事態を目前にした人々の有様を淡々と描写し、日々のありふれた日常生活の美しさや貴重さを見事に表現しています。
 
「亡命者たち」は、科学の進歩のもとで忘れ去られていく、恐怖や幻想の物語たちとその創作に人生を賭した作家たちへ捧げられた作品です。

「コンクリートミキサー」は、醜悪なものの象徴であるこのタイトル名が、最後にとても悲しく響きます。

「ロケット」はとても素敵な物語で、私もこの主人公は最高の父親だと思います。

私はこの裏の作品集とも言うべきクライヴ・バーガーの「血の本」(世間ではスプラッタ・ホラー小説と言われてます)が大好きですが、そんな人間でもこの作品に関しては、素直にその素晴らしさを認めてしまいます。

眩暈がするほど幻想的な世界 ★★★★★
ブラッドベリの作品の持つガラスのように硬質で透明な世界が存分に味わえる短編集。
ある暑い夏、一人の若者が全身に刺青を入れた男に出会う。夜になり、男が眠り刺青が月明かりに照らされる時、体中に彫られた刺青は動き始め、物語を語りだす。

ブラッドベリの静かで詩的な文体で語られる世界の終わりや、核戦争、宇宙飛行士の死などの物語が美しいイメージを浮かび上がらせながら独特の硬質な世界に連れて行ってくれる。
SF叙情詩人としてのブラッドベリが一番出ているのが、本書であると私は思う。

初めてこの短編集を読んだ時、しばらく体がフワフワして夢を見ているみたいな感じになった。これは極めて個人的な体験ですが…。