透明感のある残酷な世界観
★★★★★
昔、翻訳物ばかり読んでいたころ、好きだった。今、手元にある本はボロボロになっている。「みずうみ」も好きだが、一番は「大鎌」。もしかしたら、あるかもしれないと思わせるところが著者の力量なのだろうが、今でもちょっと怖い。最近、頻繁に大鎌が振るわれている気がする。こういう怖いけれど美しい世界を知ってしまったら、とてもじゃないが、最近「怖い」と言われる作品は物足りないし、足元にも及ばない。これは特に出来の良い作品を集めた短編集である。ぜひ一読をお勧めする。
少し奇妙で怖い世界を描く短編集
★★★★☆
ブラッドベリの初期の短編集で19の短編が収録されている。表題のOctober Countryについては冒頭で説明があり、その国はいつも年の後半で、岡や川は霧に包まれ、昼間は短く黄昏の時間が長くて真夜中が続き、秋に染まった人々が暮らしており、雨の様な足音で夜中に通り過ぎるそうだ。
英語の原文を下手な日本語に訳したのでよく意味がわからないと思うが、とにかくこの短編集で描かれるのは何れも奇妙な人々で、結構怖い話が多い。正直言って、2話目のThe Next In Lineでもう読むのをやめようかと思ったが、4話目のSkeleton辺りからだんだんこの不思議な世界にはまっていき、結局最後まで読み終えてしまった。
心温まるような話は皆無で、怖かったり、気持ち悪かったり、物悲しくなったりする話が殆どであるが不思議な魅力を持った短編集だと思います。
ご用心、ご用心
★★★★★
O・ヘンリーの短編集とこの本は、この季節、ひんやりとよく晴れた日曜日は思い出して読みたくなります。高校の時からの習慣ですから何回読み返したかわかりません。
叙情的なのだけどセンチメンタリズムとは無縁の、美しく怖い世界。どの一編もすばらしいのですが、特に好きなのは「骨」いや「群衆?」「次の番??」ああ決められません。
古くは「トワイライトゾーン」や「ウルトラQ」、「世にも奇妙な物語」などが好きな人ははまること請けあいですのでご用心・ご用心・・・
作成日時
ブラッドベリの短編集では
★★★★★
最高と思います。読んでいると、自分自身が夢の中を漂っているような感覚です。
特にお薦めは、骨・小さな殺人者・群集・二階の下宿人 でしょうか。
まず不安や恐怖が先にあってそこから妄想が生まれた?
★★★★★
まず不安や恐怖という感情が先にあって、そこから産み出されたストリー。つまりこれらの物語は、すべてブラッドベリの妄想の産物かも・・・と思わせるところがある。神経を病んだ人間でなければ絶対に思いつかない内容だという気がする。