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憲法Cases and Materials人権 展開編

価格: ¥5,250
カテゴリ: 単行本
ブランド: 有斐閣
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「解答」がないのが法律学: 題名通りの本です ★★★★★
 旧司法試験の頃からある論争みたいなものに、「大学か予備校か」というものがある。試験突破に役に立つのはどっちだ、という議論。
 私の回答(解答ではない)は、「どっちも上手く利用すればいい」。大学と予備校が対立するのは仕方ないとしても、その対立に受験生が巻き込まれる必要はない。両者の言い合いを一歩引いて見ながら、イイトコドリをすればいいと思います(大学教員としては「大学」と答えるべきなのかもしれないけど)。学習の仕方や適性は人によって違うし、両方を、個々の受験生なりの比重で利用すればいいんじゃないでしょうか。
 さて、本書はロースクールで使用することが想定された、いわゆるケースブックである。受験指導書ではない。シリーズ3冊を並べるといかにも分厚いが、アメリカのケースブックほどではない。筆者達が行っているのは、判例の自分なりの要約ではなく、重要判例のセレクトと論点の指摘である。論点の指摘は問い(質問)のかたちで行われており、読者はその論点について、判例を読みながら自分で考えることが求められる。その考えを演習などで披露し合い、議論することを前提としているから、解答は書いていない(だから、Cases and Materialsという題名)。
 というより、そもそも法解釈に大学入試のような「解答」はないんですよね。解答がないから、各人がそれぞれの「回答」を出し、それを他の回答より妥当なものとして論理的に正当化する。優劣は解答と一致しているかどうかではなく、どの正当化がより妥当かどうかで決まる。判例の読み方にしても唯一妥当な解答があるわけではなく、実際には様々な読み方ができる。それが法解釈学なのであって、「解答」を覚えれば済むのなら、専門家など要らないことになります。解答集みたいなものを作って、それを読めばいいのだから。
 知識の単純な詰め込みと吐き出しでは、新司法試験には通らないと言われていますが、そうであるとすれば、本書のような教材は必要なものだと、私は思います(いつか私も執筆に参加させて欲しい)。
学者志望の人と時間的余裕のある人向きだと思います。 ★★☆☆☆
周知のことと思いますが、『憲法Cases and Materials人権 展開編』は、法科大学院での授業に使う目的で出版された本です。
法科大学院は、新司法試験に合格して法曹となるための勉強をする場所なのですが…。
このケースブックの内容は、無駄に長い判例の引用がなされ、それについてたくさんの質問が羅列されたものであり、質問についての解答も書かれていません。
とてもじゃないがこれを懸命に読んだところで、新司法試験で答案を書く能力が身につくとは思われません。
各法律科目について判例の引用と質問ばかりが書かれたケースブックが各出版社から出版されていますが、その中でもこのケースブックは、最も時間的に非効率的な勉強を強いられる内容であると思います。
学者を目指す学生には役立つと思われますが、試験を突破するための学力を修得するために読むならば、いくらでも他の選択肢があると考えられます。
不幸にも、憲法の授業で指定教科書にされた法科大学院の学生と、新司法試験には十分合格する学力があり、時間の余っている学生以外には、読む価値のない本であると考えます。