前作同様、著者は物事を単純化して説明してくれる。特に「感度分の16」の話は素人の僕には参考になる。
カメラマンとしてのキャリアも紹介されているが、85年の日航機事故の話は痛々しい。携帯電話のない時代、人々がどのように判断し、何を頼りにすべきか迷う姿が伝わる。
写真という切り取られた一瞬は、ボディブローで相手を挫くのではなく、一撃で相手を仕留めるような衝撃を伝えることがある。いつかそんな写真が撮れたらと思う、撮ってみようと思わせる力がある本だった。