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三つの物語 (岩波文庫)

価格: ¥2,646
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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「まごころ」「聖ジュリヤン伝」「ヘロヂアス」の三篇から成るフローベール唯一の短篇集
フローベールの最高傑作 ★★★★☆
三つの短編(コント)から成る、フローベール晩年(56歳)の作品です。文章の余計な装飾を排して、物語の価値を聞かせてくれる小説。
一つの短編は60ページくらいの分量で、日本の普通の短編小説よりは少し長めです。

・まごころ(田舎のおばあちゃんを思い出すような、平凡で信仰心の篤い女性の一生。)このタイトルを「平凡な女」「素朴な女」などと
 訳した別の翻訳本もあります。

・聖ジュリアン伝(ギリシャ神話のオイディプス王、スタンリー・キューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』などを思い浮かべます。)

・ヘロデアス(預言者ヨハネの首を撥ねるか否か苦悩する王の物語。サロメが登場します。)

三つにして、恐らく三つに限られた方法を示している(チボーテ)

フローベールの卓越した洞察力は、人間の生まれ持った天性の性質を見抜き、その性質によって決定していく運命のパターンを3つの物語で描いて行きます。この3つの物語からケース・スタディする事が出来れば、読者は『人生って何だろう?』と他人に聞かなくてもよい人格が得られると思います。

ただ、翻訳が昭和の初期なので文章に古さがあり、漢字も旧字体です。(岩波文庫・山田九朗訳⇒昭和15年(1940年)翻訳)

トロワコント(3つの物語)の日本語訳は他にも有ります。昭和20〜30年代の訳が多いですが、大きな図書館に置いてあるフローベールの全集などで、これだと思えるものを一度読んでみて下さい。古い本の中で格調ある翻訳のものもあります。
三篇とも逸品 ★★★★★
 「素朴な女」は作者が幼い頃フロベール家に入った女中のジュリーをモデルにしているらしい。派手な筋立てとは無縁だが穏やかな余韻にしんみりさせられる。
 「聖ジュリヤン伝」はルーアンの大聖堂のステンドグラスに描かれていたためフロベールが幼少期から親しんでいた聖人の物語。結末はどこまでも神々しい。
 「ヘロデヤ」は新約聖書中の逸話を元にした静かな惨劇。
 どの作品もギリシャ彫刻のように表面的な華美を排し本質的に優雅である。