ページ数が多く、読み応えがあることがいい点でもあり、一気に読めないため難点でもある。
(そのため評価を下げました。再度読むと評価はひとつ上がるかもしれません。)
自社の置かれている立場により、参考にできる度合いが異なると思うが、多くの日本の
ソフトウェア企業に欠けている戦略面の視点が得られるのでは。
1つは、製品開発型の企業、サービスを提供する企業、その両方を提供する企業にわけて、その戦略(市場、企業の方向はどうあるべきか、競争戦略、資源の蓄積など)等を歴史を振り返りながら、分析しています。また、各タイプの企業が、今後どうあるべきか、の意見が述べられています。
2つめは、本職のソフトウエア開発を成功させるには、どのような組織で開発手法を取ればよいのか、をマイクロソフトやネットスケープ、IBM、日本企業の例等を引き、分析してあります。
3つめは、ソフトウエアのベンチャー企業が成功するためには?というものです。筆者がかかわった企業の事例が10個ほど詳細に解説され、その中で、筆者達の考えた成功のためのチェックリストがどれだけ有効化を検証し、また、成功要因を探ります。
その他、海外へのアウトソーシングの話題等もあります。日本企業の開発手法や、これまでの戦略について、触れられているところが多かったです。
個人的には、マイクロソフト等のソフトウエア開発の様子が、リアルに描かれていて、参考になりました。
経営等の前提知識は、あった方が良いですが、なくても楽しく読めます。SEさんにも、参考になるところが多々あるのでは、ないでしょうか。