独学でMBAを勉強している、ソフトハウスに勤めるものです。

主にMBAで習うマーケティングの理論を知った上で、IT業界に適用し、具体的にどうするかが記述されています。

これまでIT業界では、というよりは（ぱっとしない）中小企業ではマーケティングの考え方がほとんどなかったように思いますので、読んでいて新鮮さを感じました。

また、著者のコンサルティング経験から導き出された内容も盛り込まれており、マーケティング理論を理解している人でも、より具体化された内容が書かれていることで、参考になることは多いと思います。

ただ、残念だったのは、この書籍自体のターゲットが、下請けから脱却したい派遣タイプの企業なのか、下請けで１番になりたい企業なのか、記述のターゲットがごちゃまぜになっていて、読みにくいのが残念でした。

ビジネスの戦略と戦術の大枠と、それを明確にする分析方法や数字的な裏づけがよくまとまっている。

インターネットでない、旧ソフトウェア業界を経営するものとしては一読の価値がある。

ただし、「船井流」といっているものの、原点はランチェスター戦略と神田昌典氏の戦術だろう。

それにしても、IT業界に絞って記述されたこのような本は決して多くないだけに、有益な書であるといえる。

ITの技術系の方には新鮮な内容なのかもしれません。IT企業向けのビジネス本です。

逆にビジネスマネジメントを知っている人は「昔から言われている当たり前のことじゃないの？」とも感じます。セグメントのトップを狙う、そこに資源を集中するというのはGE／ジャック・ウェルチが実施したものですジャック・ウェルチ わが経営(上) (日経ビジネス人庫)・ジャック・ウェルチ わが経営(下) (日経ビジネス人文庫)し、ほかの事についても経営・ビジネス本で大体カバーされている内容。IT業界だからというものではないように思えました。

逆に言えばIT業界はそんな初歩的なことが今までできていなかったということなのかな？？？（と自戒の念をこめて）

中小SIerの経営に関わる方は必読だと思います。
値付けや商品・サービスの作り方など、
実践的な手法が書かれています。

WEB集客等は苦手分野の記述は若干甘い感じですが、
脱下請けを目指す方は、
絶対に読むべきです。

船井総研の気鋭の若手コンサルタントである長島氏の処女作だ。
私自身、長島氏のブログや講演のファンの一人であり、早速購入して読んでみた。

私も含め、多くのベンチャー企業や中小企業の経営者は、戦略の重要性は理解していても、いざ、戦略を立案するとなると、その知識、経験共に乏しい場合が殆どだ。
また、世に出回っている戦略に関する本も、経営者が実践できる内容とはほど遠い。目線があっていない、具体性や網羅性に欠く、応用が利かない等々。

それに対し、この本は、戦略の大局から細部に至るまでが、極めて体系的に記されており、また具体性にも富んでおり、かつ、現場感覚がベースとなっている。
更には、戦略立案と実行の両面が記されている点でも稀有な本だ。（従来は、戦略立案、実行のどちらかに偏った本が殆どだった。）

ＩＴ企業の経営者、幹部にとっては願ってもない本であるが、それ以外のあらゆる業態のリーダー、管理職、企画室、戦略室等々の方々には、一読を勧めたい。

次作への希望を書けば、今度は戦略実行に絞った本を書いていただきたい。
本書に書ききれない、様々なノウハウがあると思う。