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英語の冒険 (講談社学術文庫)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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答えは全てこの本の中に書かれています。 ★★★★★
ランカスター公ヘンリーがリチャード2世を廃位し、英語で即位の演説を行った。この時、ノルマン征服以来300年ぶりに英語は再び国王の言葉となった。どうして英語を使ったのか?
14世紀にジョン・ウィクリフはラテン語の聖書を英訳する事に対して、なぜ命を懸けたのか?
エリザベス朝の人々が、カンタベリー物語の韻律を感じ取る事を不可能にした大母音推移とは何か?
ジェームズ1世の命で英語に翻訳された欽定訳聖書の60〜80%にティンダルの影響が見られる。ティンダルは聖書を英訳する為にどんな人生を歩んだのか?
400年以上前の時代にシェークスピアは21000語以上のボキャブラリーを持っていたが、その彼が1音節語を大切にしたのはなぜか?
ピルグリム・ファーザーズが上陸後にネイティブ・アメリカンから初めて聞いた言葉は何か?
アメリカのピューリタンが、言葉によって生きていたとはどういう意味か?
黒人奴隷はどんな英語を使ったのか?
どうして「ハックルベリー・フィンの冒険」の英語はすばらしいのか?
答えは全てこの本の中に書かれています。
最後に、英語に関してだけでなく、言語とは、そもそも人間がコントロールすべき物なのか?
この本を読み終えた時に、確信が持てる様になりました。
断片的な感想 ★★★★☆
英語の辿った歴史をまとめた本。内容はかなり網羅的。小説ほどではないが研究書より読みやすい。

世界を席捲する英語も昔滅亡の危機があったそうだ。英がノルマン征服に遭い、仏語が支配的となった後も英語は生き延びた。あとからみたら当たり前のようだが「当時の教養あるイギリス人の多くが、自分たちが権力を失ったのと同じように、英語ももはや権威ある言語として存続することはできないと覚悟したのではないかと想像される」と著者。それだけの危機がありながらも、様々なものを吸収しつつ英語は現在に届けられた。英国が近代になした数々の蛮行に目をつぶる限りにおいて、このことには襟を正したい気分になった。

著者は、ラテン語が各国語に分化したように「将来の英語は単一の言語ではなく、いくつかの言語の共通の先祖となているかもしれない」という。英語由来のクレオールも多々でてきていることだし、母語としてより第二言語や外国語としての話者のほうが多くなり英語が混沌としているため、そうもつぶやくのだろう。だが、映像や音声が簡単に世界の裏まで届く現在は、「標準」的な英語が常に参照され得る。これにより分化のベクトルが相当弱められており、ラテン語的分化はしなさそうに思う。

聖書の英訳へのウィクリフやティンダルによる血みどろの努力の話とか、アメリカ英語の発音の謎の話なども興味深かった。後者に関しては、アメリカでは単語を一音節ずつに分解して語を唱えさせる教育法がウェブスターさん以来の伝統だそうで、その方式が二百年以上続いた結果、アメリカ人は多音節語をイギリス人と比べてはるかに均等に発音するようになったという。例えばcemeteryをイギリス人はセマトゥリーのようにいうが、アメリカ人はセメテアリーと発音するというふうに。教育が発音に影響するんだなあと思った。

断片的だが、以上少しでも参考になればと思います。
英語の成長は止まらない ★★★★★
英語は5世紀頃、ゲルマン人によってイングランドにもたらされた。当時、15万人程度の話者しか持たなかった言語が15億もの人々が使用する言語に成長していく過程を描いているのが本書である。

本書によれば、英語はバイキングの襲来とフランス系王朝の支配(ノルマン・コンクエスト)によって二度滅亡の危機にさらされている。しかしこれらの危機を乗り越えた後、チョーサーやシェークスピアの作品によってイングランド人の言語として完全に根付いた。さらにイギリスが世界帝国として成長するのに伴い、アメリカ、オーストラリア、インドへと世界中に拡大していった。

英語の強みの一つはその語彙吸収力である。本書によれば、ノルマン・コンクエスト以後何千というフランス語の単語が流入してきたが、英語はそれらの単語に乗っ取られることなく、むしろ取捨選択し、自らの表現力を豊かにしていった。

植民地では地元で生まれた表現が英語に取り入れられた。科学技術の進展に伴って生まれた新語も英語を豊かにするものとして迎え入れられた。異文化、新文化に対する柔軟な対応能力が英語を世界的な言語に成長させた原因の一つなのだろう。原著は2003年に出版されたものであるため、ネット上で生まれた"blog"という新語も取り上げられている。英語の成長はまだまだ止まらない。

著者は言語学者ではなく作家である。丹念な調査をベースにしながら、英語を一個の成長する生き物として(つまり擬人化して)描き出すことによって、英語史を読みやすく楽しいものとしている。
英語史のみならず英国の歴史を知る上でも貴重な良書 ★★★★★
 本書の著者は、言語学を専門とする学者ではなく、オックスフォード大で歴史を学び、PEN賞を受賞している英国の純文学作家のメルヴィン・ブラッグである。著者も本書において認めているように、英国では、さまざまな学問分野においてアマチュアの活動を認める伝統がある。本書は、そのような英国の良き伝統のお陰で誕生した書物と言っても過言ではない。
 英語は、5世紀のゲルマン人の侵攻以来、まさに波乱万丈の道程を歩んで今日のような国際言語としての不動の地位を確立している。ともすれば、その歴史は無味乾燥、単純ともなりかねない。そのような英語史を、英国の歴史に対する深い造詣と鑑識眼、そして言語学者達さえも凌駕していると思われる言語としての英語に対する圧倒的な知識と愛情をもって、著者は生き生きと著している。
 チョーサーやシェークスピアらが英語の発展に寄与した業績の偉大さはいうまでもない。本書においても、相当数の紙数を彼らのために費やしている。しかし、小生は、本書で詳細に紹介される教会と国家に反逆してでもラテン語訳聖書を英語に訳して民衆に伝えようとしたジョン・ウィクリフやウィリアム・ティンダルらの生きざまに深く感銘し、彼らの英国社会及び英語の発展に果たした功績の大きさを本書によって再認識した。その意味において、本書は英語史のみならず英国の歴史を知る上でも貴重な良書として、英語学習者(中~上級)、英国歴史愛好家、英語教育者、そして英国フリーク必読の書として強く推薦する。
キャッチコピー「悪魔のように」にひかれました ★★★★☆
他の書籍で「日本語の語源」について読んでいます。
結構面白く読めたので、他にもないかなって探していたところ、
ふと「悪魔のように現れ、数々の言語と戦い~」っていう
帯のコピーにひかれました。
「波瀾万丈の英語の歴史」とも書いてあり、
ますます興味がわき、すぐに手にしてしまいました。

「英語の冒険」なんてエンターティメントっぽいタイトルとは逆に、
内容はかなりしっかりしたモノで、
チョットした世界史、特にヨーロッパ史に興味のある人は
より面白く読めるのではないでしょうか?
個人的には、聖書を広めた活版印刷の影で英語もまた
聖書と関わり合いを持っていたことは、さらに興味の幅を広げました。
なににしてもはじめは15万人程度で使われていた言語が、
世界一の言語に広がりました。
日本語が英語化していく状況や
さらに変化し続ける英語自体の強さみたいなモノを
まるでファンタジー小説に出てくる「悪魔」のように
例えたキャッチコピーは本当に上手だと思います。