最高傑作
★★★★★
「マイ・ビューティフル・グリーンパレス」も十二分に面白かった。だがこの文庫はそれ以上だ。
ロコツな性描写こそない。今先生は発表当時「こんなのを家族に見られたくない!」と恥ずかしがっていた。その気持ちはわかる。
だが我が心に残っているコミックだ。2005年に旧版を買って、今でも読んでいる。
「落日」に心底ぶちのめされた。「君といつまでも」の優しさに震えた。
断言しよう。初期作品にして今でも今先生の最高傑作なのだ。萩尾望都の「呪い」がどこにも見えないが、だからこそ傑作たりえたのだ。