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「食べもの情報」ウソ・ホント―氾濫する情報を正しく読み取る (ブルーバックス)

価格: ¥945
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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ニュース探究ラジオDig経由 ★★★★★
「食物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に信じたり評価すること」を意味する「フードファディズム」

「生乳のもつ風味や栄養分をできるだけ損なわないように殺菌した」ことを売り物とする低温殺菌乳ですが、
"生こそ体にいい" はフードファディズムそのものであると思います。

超高温なみ、もしくはそれよりも高い温度で、はるかに長い時間加熱された食品がとやかくいわれないのに、
牛乳の加熱温度だけをなぜ問題とするのか、不思議です。タンパク質の加熱変性が、
栄養価値を低下させるものではないことを再確認しましょう。
乳清タンパク質の変性は子牛にとっては大問題かもしれませんが、人間にとっての食品ということでは問題ありません。
 ← タンパク質である以上、消化されてから吸収される

超高温殺菌乳批判の背景には、現代の食料生産・流通システムへの問題提起があるようです。
お金さえ払えばいつでも入手できるという利便性を反省することは、
食べものと人間のかかわりを考える上で大切な視点であると思います。
しかし、そのために超高温殺菌乳を酷評することは、いささか的はずれのように思えます。
 ← 裏返せば大量に出回っている普及品は危険であり、
   安心して食べられるものではないといっているようにも受け取れます。

栄養的価値において有機食品が通常の食品よりすぐれているということはありません。
・・・体に有害な物質が少ないのではないか、という期待もあると思われます。・・・
しかし、通常の食品にも人体に悪影響をおよぼすほどの有害物質が含まれているわけではありません。
・・・有機食品を通して、現代の食料生産システム全体を見直すことは有意義なことと思います。
しかし、有機食品はともすれば人々の食に対する漠然とした不安に、心情的にうったえかけるもののようです。
基本に忠実 ★★★★☆
昔、運動部の顧問に炭酸ドリンクを飲むのを禁止されたことがあった。
今となっては馬鹿らしいことでも、食べ物が健康に与える影響を過大に心配する傾向は無くならない。
食品に対する間違いを丁寧に解説してくれる良書。

本書の内容は当たり前で基本的なことばかりだから家族で安心して読める。
マジックフーズも、悪魔フーズもない ★★★★★
 著者は、「フードファディズム(食物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に信じたり評価したりすること)」という概念を、日本で最初に紹介したことで知られる。

 体に良いとされるものとして、紅茶キノコ、酢大豆、大豆ココア等が過去にはブームとなったものだが、近年では健康情報“娯楽”番組が、フードファディズムに拍車をかけている。「あるある」の納豆捏造問題は記憶に新しい。何度もいっていることだが、「○○が体に良い(悪い)」という言説には、何かしらの宣伝めいたバイアスがかかっていると見た方が良いだろうし、宣伝を宣伝と見抜けずに信じてしまうようでは、怪しげな商法の犠牲者となる可能性が高い。

 フードファディズムの一部として、「天然」「自然」「植物性」「有機」「無添加」といった雰囲気的なものが過大に評価され、「人工」「合成」「動物性」「食品添加物」を忌避しようとする思考が蔓延している。このように、良い(悪い)と決めてかかる二分法は、ニセ科学の方法論そのものと言える。どのようなものでも(例え「良い」とされるものでも)、過剰摂取は良くないのである。

“天然塩”“飲むコラーゲン”“酵素”といった体に良いと吹聴されるものにまつわるファディズムを解きほぐし、悪い方で取り上げられることが多い炭酸飲料や即席麺、ファストフードに関しても、そればかり摂り過ぎるのは栄養の偏りを招いて問題だが、足りない栄養を補いながら適量摂取する範囲ではかまわない、むしろ食生活を豊かにするものだと説く。食品添加物に関しては、健康被害に繋がる可能性は限りなく低いとするが、例えば、スーパーの野沢菜漬けが本来の野沢菜漬けとは形を変えてしまった、というような、「食文化の破壊」という観点でのマイナス面は指摘している。

 結局のところ、“バランス栄養食”、そう名乗る食品に関して、本書の続編「『食べもの神話』の落とし穴」では、成分表示から「脂質が豊富に含まれている、ビタミンとミネラルが添加されたクッキー」と読み解いているが、“魔法の食品”など存在せず、様々な食品をバランスよく摂るということに尽きるのである。サプリメントに頼るなど本末転倒。同時に、「悪い」という言説に踊らされると、憎むべき「不安煽動・便乗ビジネス」が待ち構えているので、そのようなものにも惑わされないようにしたい。

 日頃から懐疑論に接している人間には既知の内容も少なくないが、「『食べもの神話』の落とし穴」と合わせて、万人に広く薦めたい本と言える。
「食べ物情報」を理性的に判断するための良い指南書 ★★★★★
 著者は群馬大学教授で,食物学,栄養学が専門の女流研究者.その視点は冷静だが食全般に対する深い愛情を感じさせる.文章は,的確でわかりやすい.

 本書は,フードファディズム(Food faddism;食べ物が健康等に与える影響について過度の期待あるいは不信をもつこと)をキーワードに,巷に溢れる「食べ物情報」を総括する.そして,健康維持と食事の関係についての,基本的かつ重要なことの再認識を促す.例えば,病気を予防・治癒するような「食事」はないこと,「良い」とされる食品ばかり過剰摂取するのではなく,必要な栄養素を過不足なくとることこそ大切であること,食事摂取量の適切性を自分で考えてコントロールするべきだということ,である.

 これらは,至極まっとうで当たり前のことだが,多くの人がそういった基本を忘れて,マスコミに乗せられて「良い」食品を追いかけている.本書は,あやふやな情報に惑わされないための基礎知識と,理性的な視点をもつことの重要さを伝えている.
常識的な内容 ★★★★☆
当たり前の事を指摘している良書。却って健康に気を使う人たちが騙されてしまう現代では手ごろに読める科学的な常識の本といえます。
加工食品に嫌悪感を抱く人、健康食品に熱心な人、新たな発見があるかも。