名作、ということになっていますが、わたくしにはどうもピンと来ませんでした。わが愛読する伊藤整も、この作からの影響で「若い詩人の肖像」をものしているというのに・・・(ただし、この作も同様にあまり感心しない)
いわゆるビルドゥングス・ロマンに分類される、半自伝小説ということになっています。ピンとこないひとつの理由は、宗教との関わりということもあるかもしれません。また当時のアイルランドの、イギリスとの複雑な関係もひとつの理由になっているのかもしれません。
こう書くのは矛盾しているかもしれませんが、わたくしの評価にはこだわらずに本作を読んでいただければ、と思います。訳については原文と対照もしていないので評価不能ですが、日本語としては決してわるくないように思いました。