本書は、人間の感情と投資の意思決定との境界領域を分析対象とする「投資行動の心理学(群集や個人の心理がいかに投資に影響を与えるかを研究する学問)」の成果やエッセーをまとめた『The Psychology of Investing』の翻訳である。著者は、心理学や臨床医学、ファイナンス等を専門とする大学教授陣、投資情報誌の編集者など13名の専門家。各章が独立したオムニバス形式をとり、どの章からでも読める構成となっている。各章の冒頭には監訳者による要約もある。
本書は、マーケットを心理学から読み解くことにより、なぜ人々がそうした行動をとってしまうのかを分析し、その処方箋を描きだしている。株式市場は、マーケット参加者の楽観度合い、あるいは悲観度合いの変化を心理的に反映したものであり、投資において心理的な要素を無視する者は最終的には敗者となるという。つまり、恐怖や弱気によって、長期投資を短期投資にしてはならないというのだ。成功する投資家は、この心理的なリスクをうまく管理し、買いの前に明確な売りの目標を設定し、自信を持ち、無理をせず、長期的な視点で銘柄の真の価値を見極める。著者に言わせると、投資において重要なのは、市場動向を決定する人間の感情を理解し、心理学上の理由から過大(過小)評価されている銘柄を認識する能力である。そのうえで、企業を定性分析することも重要だと述べている。人間心理から投資戦略を考える視点を与えてくれる、類書にない魅力を持った1冊である。(増渕正明)
拙い翻訳
★☆☆☆☆
原書は読んでいませんが、もとの著者陣を見て持った期待は完全に裏切られます。まったくの素人が翻訳したのかと思わせる内容で、時折意味不明になり読み進むことに苦痛を感じます。非常に興味のあるテーマだっただけに残念です。
損は小さく
★★★★★
R倍数をおおきくするためにはまず損切りができないといけません。
損切りができない理由を見つめ直すことで最初の一歩に近づくのでは?
損切りを投資でお金を稼ぎ出す一つの武器としてとらえられるかがカギ。
損切りできない自分に別れを告げるために一つの心理として学ぶためにはお勧め。
■行動心理学の観点から投資を学ぶ
★★★★★
当書は心理学からのアプローチを試みた数少ない投資研究書である。心理学や臨床医学、ファイナンスを専門とする大学教授や、投資情報誌の専門誌など、それぞれの分野の専門家が「投資と心理学」について分析、解説を行っている。
それぞれ独立した章で構成され、読者は好きな章、理解できる章、必要とする章のみを読みすすめるだけ。市場の動向を単なる数値の上下ではなく、その向こうにいる「自分以外の投資家の心の動き」と見、「自分自身の心の動き」と兼ね合わせながら判断をすることで、これまでとは違った自分らしいスタイルが導き出せるかもしれない。
2005年のノーベル経済学賞(スウェーデン銀行経済学賞)に、ゲーム理論の手法を元に投資経済と人間の行動心理を分析したイスラエル・ヘブライ大学のロバート・オーマン氏と米国・メリーランド大学のトーマス・シェリング氏が選ばれたのは記憶に新しい。当書の内容を知識として取り入れることで、これらの論理と共通する「人間の合理的でない感情論から生じる投資結果とその結果生じる失敗を避けるにはどうしたらよいのか」について学ぶこともできるだろう。
硬派な本だが、非常にためになった。
★★★★★
「成功する投資家」の考え方が、ズバリと書いてある。我が身を振り返り、思わず反省。でも、やる気が出ました。それから、その格調の高い文章をノートに書き写しました。毎日読み返して、実践に生かしたい。
米国の投資本って、いい本ありますね。本当に勉強になります。
どちらかというと学術的な側面が濃厚です。
★★☆☆☆
いかにもアメリカ人的な、こと細かな分析がなされていますし、述べられていることは事実に基づいているのでしょうが、この考え方(・理屈?)をそのまま投資に応用すれば成功するかは誰にも断言できません。あくまで可能性ですし、データです。
世の中には数多の投資に関する本が出ていますが、その売り上げに比例して勝者が増えているわけではありませんよね。結局はその人次第です。
結論。あんまりオススメしません。もっとわかりやすくてもっと役立つ本はいくらでもあると思います。