作品としてみた場合、確かによく出来たコメディなのですが、その時代に読んでこそ、また、上演してこそ面白い、という部分が少々あります。普遍的なテーマを扱っているという見方も出来ますが、100年先にも読まれているか、というとまずそんなことはないでしょう。
と、うざったいことを書いてしまいましたが、読んでいるだけで吹き出してしまうようなシーンで満載です。台詞、場面の展開、ちょっとおかしな、それでいてどこにでも居そうな登場人物などは、魅力に満ちあふれています。演劇の訓練の初期段階によく使われますが、まさにその目的のためには理想的とも言えます。役者、演出、執筆に関わらず、演劇を志す人は買って損はありません。また、英語のユーモアを日本語に置き換えるのが如何に難しいのか、これから翻訳家を目指す方にも色々な意味で参考になります。