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悲しみよこんにちは (新潮文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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たちまち共謀者 ★★★★★
天才サガンの筆による大傑作。読者は瞬く間に主人公セシルの共謀者となってしまう。もしこの本がつまらないという者がいたら、それは建前ばかりの人生を送ってきた虚しい者たちであろう。
眩しすぎる:中高生の時に読んでおきたかった。 ★★★★☆
 この作品で描かれる父親や成熟した女性へのコンプレックス、残酷さと瑞々しさ同居した繊細な感性は、執筆時リアルに10代だった作者だから表現できたものだと思う。そして、サガンのカミュ評はインタビュー(その時の気分?)により結構ブレがあるようなのだが、カミュ的不条理文学のエッセンスも感じられるこの作品は、確かに傑作として語られてしかるべきだろう。

 ただ、僕はこの作品を40代手前で初めて読んだのだが、その若さが眩しすぎた。老いを身近に感じ始め、熟成した作品に読み応えを感じるようになったこの年では、なんかデキの良い少女漫画を読んでるような気になるところもある。作者・主人公と同じ中高生の頃に読んでるとかなりハマっただろうと思う点が悔やまれる。

 なお、この新潮文庫版の古い版は、ビュッフェの「カンヌ」という絵が表紙である。この小説が書かれた時代よりも少し遅い1970年の作品だが、この小説の世界観と上手くマッチした表紙だと思うので、入手する場合は古い版の方をオススメする。訳者の作者インタビューのエピソードも面白く読めた。
フィガロジャパンで特集をやっていたので読んでみました。 ★★★☆☆
フィガロジャパンを見てフランス文学に興味があったので読みました。小さい頃に一度既に読んでいたようです。最近フランソワーズサガン自身の映画の試写会に行ってきました。フランソワーズ自身がこの悲しみよこんにちわの女の子と少し似ているようです。この本に出てくるような浮気性の父親とそれをよく知っていて承認している子供の関係は実際存在するのか不思議でした。終わりの一部始終は一躍有名になっただけあったと思いました。一度読んでみてもいいかもしれません。
フランスのエスプリ! ★★★★☆
20年振りに再読した。50年以上前の作品とは思えない深い味わいがあった。何がこの作品を、そんなに面白くしているのだろう?それは主人公の語り口である。小説の冒頭は次のように始まる。「ものうさと甘さがとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、立派な名前をつけようか、私は迷う。その感情はあまりにも自分のことだけにかまけ、利己主義な感情であり、私はそれをほとんど恥じている」サガン17歳の言葉である。格好良すぎる。

「悲しみよこんにちは」の味わいは何であろう?確かに、17歳の主人公セシルの初々しく揺れ動くと少女の心や、彼女の周りの大人に対する、深く、鋭く、シニカルな観察眼は、当時のフランスの大人たちを魅了した。でも、日本人である僕たちがこの小説を読むときには、僕たちが普段全く意識することのない、あるいは全く考えも及ばないような、フランス的な物の見方、考え方がジンジンと伝わってくるのがいいのではないだろうか?

フランス人は、吉本ばななの『キッチン』を読んで、フランス人が忘れていた少女の気持ちを再発見した。日本人には、『悲しみよこんにちは』を読んで、フランス人の少女のエスプリを発見して欲しい。

17才の正直な残酷さ ★★★★☆
サガンが18歳のときの作品と聞いて驚いた。
18歳でここまで書けるとは。

自分の年齢よりも年上の人物の本当の話は書けない、とはどこかの作家が言っていた言葉だが、
まさに主人公を去年までの自分の年齢に設定することで、今この瞬間に感じているような
リアルな17才のセシルの心情を見事に描けている。

そうして考えると、父親をはじめ、エルザ、アンヌなど作者の年齢以上の人間が何人も出てくるが、決して心の中で何を感じているか内面は書いていない。
書いていないが、セシルの言葉に対する父親のレエモン、アンヌの行動については充分なリアリティを感じる。

このサガンという人は、18歳にして、レエモン、アンヌの心情が理解できていたのかと思うとその才能にあらためて驚く。