これだけ平易な解説書はない
★★★★★
ゲノムサイエンスの歴史を語る第一部と、最新の研究成果をレポートする第二部とで構成されていいる。これだけ平易な言葉で、ゲノム科学について語った本を私は読んだことがない。第一線研究者で、全体をわかっている科学者にしか書けない名著だと思う。
ゲノムサイエンスの解説書ではない
★☆☆☆☆
「ゲノムサイエンスとは何か」について答える本ではない。
ゲノムサイエンスに関してある程度の知識がなければ、面白くもなく、新しい知識を得ることも少ないかもしれない。
前半(第一部)のほとんどは著者の個人的な視点から見たゲノム研究の歴史。
一般読者は「著者はどのようにゲノム研究に貢献したか」という頼んでもいない知識を得ることができる。
人名の羅列が著しい。ゲノムサイエンスの本を開く読者にとって、歴史書の如く人名が登場しても、得る物は少ないだろう。「だれが何を発見したか」は科学的事実そのものではない。
後半(第二部)は一転して科学的事実とその将来的展望が列挙してある。
ある程度の知識を有する読者であれば、有用なレビューであるかもしれないが、
本来前半でなされるはずの用語や前提知識の説明がないために、
第二部を読んで理解できる読者であれば、既にその内容については知っているであろうという皮肉な結果に至っている。
しかしながら解説そのものは簡潔でわかりやすいので、生物学の知識をお持ちなら第二部はそれなりに面白く、有用だろう。
第二部だけを「ゲノムサイエンスの未来」というタイトルで出版すべきだった。
あまり得られない
★★★☆☆
生物を学んでいる高校生、生物(ゲノム)に興味がある人、生物の知識があまりない大学生が読むにとっては価値があるかもしれないが、それ以上の知識を持っている人、例えば3年以上の生物系大学生にとっては、単なる読み物であってつまらないと感じるだろう。