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小さな中国のお針子 [DVD]

価格: ¥4,935
カテゴリ: DVD
ブランド: パンド
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少女の変革 ★★☆☆☆
 文化大革命の中国を舞台に、2人の青年を通して西洋文学から影響を受け自ら運命を切り開くべく自我に目覚めていく少女の心の成長を描いた青春ラブ・ストーリー。1971年、文革の嵐が吹き荒れる中国。医者を親に持つ都会の青年マーとルオは、反革命分子の子として再教育のために奥深い山村へ送り込まれた。彼らはそこで過酷な肉体労働を強いられる。ある日2人は、美しい少女、お針子に出会う。ルオはお針子に一目惚れした。彼らは、同じ再教育で来ている若者が禁書である西洋の本を大量に隠し持っていることを知り、それを盗み出す。そして、文盲のお針子に毎夜西洋の文学を読み聞かせてあげるのだった。許されない秘密を共有することで結びつきを強める3人。そして、お針子は西洋文学が語る自由に次第に目覚めていく…。

友人から進められてみた作品。
文化大革命の時代に「再教育」をされていた青年と隣村のお針子とのラブストーリー。特に西洋文学の影響を受けて自我に目覚めていくさまがよかった。時計すらもない山奥での生活はさびしいつらいものだが、映像で見るとあまりに景色が素晴らしく、音楽が山々まで響くのでつらいイメージを払拭させてしまった。
政治的、歴史的なカラーが強くただのラブストーリーで終わらないところがよかった。
見終わった時、浮かんでくる一言。 ★★★★☆
中国映画は今までピンと来る作品がなかったが
『小さな中国のお針子』は別だった。

最初のシーン(黒画面に中国の伝統音楽が響き
深い山間の石段を歩いてくる2人のロングショット)から
驚異的なラストシーンまで
映画的時間が持続し、
充実した映画体験が得られる。

内容は監督の実体験が元になっている。
医師の子供として生まれたこと、四川省の山岳地帯で再教育を受けたこと、
解放後、国費留学生としてパリに渡ったこと。

そしてパリで、エリック・ロメールなどの映画監督に出会い、
フランス国立高等映画学院で映画を学んだ成果が
この作品に結実した。

パリのアジア人による映画としては『青いパパイヤの香り』といった名作があるが
あれが徹底してインドアの作品だったことに対して、
こちらは雄大な中国の風景に抱かれるようにロケで撮影されている。

しかし共にヨーロッパの感性が作品に浸透し、
そこが大きな魅力になっている。

見終わったあとに、浮かんでくるのは
「すばらしい作品に出会えた」
という短い一言。





切ない恋を美しい背景が彩る ★★★☆☆
 思想統制の厳しかった頃の中国に生きる青年たちを描く。不自由さの間隙を縫って、「外国文学」に触れる彼らをとりまく中国山間部の自然は美しく、「革命的」な村長の人間らしさもほほえみを誘う。切ない恋模様を叙情的に描く秀作。
中国映画ではない? ★★★☆☆
これは、中国映画ではない。中国を舞台としたヨーロッパ映画だ。
文革を題材にした中国映画だと思って観ると、拍子抜けする。
描写は綺麗だし、やたら、見所ばかり強調するアメリカ映画より味わい深いのは確かだが、色々な描写がしっくりせず、充分楽しめなかった。ヨーロッパ人向けに作ったのだろうか。

文革の激しさは微塵も感じられず、「再教育」の様子は、まるきり田舎に遊びに来ている状態だし、隠れる事も無く、女の子と楽しくはしゃぎまわる様子も、古い慣習に縛られているだろう中国の田舎の情景とそぐわない。
それらの違和感がぬぐいきれず、映画の価値を評価しづらい。
(時代考証や日本の描写のアバウトさで、日本人にはのめりこみ難い事が多い、欧米製作の「蝶々夫人」のようなもの?)

やはり、映画ならチャン・イーモー、本なら「ワイルド・スワン」などで、文革の様子や中国の様子をある程度知ってしまうと、この映画を充分楽しむのは難しい気がする。
青春のほろ苦さ ★★★★☆
要は、文革下、再教育のため山村に下放された、二人の都会青年の恋物語である。
ヒロインを中国若手四大女優(チャン・ツイィー、シュー・ジンレイ、ヴィッキー・チャオ、ジョウ・シュン)の1人、ジョウ・シュンが演じている。
フランス人監督の作品だからか映像が全体に洗練されていて美しい。
人を寄せ付けないかの如く、天空に屹立する山々。
断崖に阻まれた、はるか彼方に伸びる農村への細い道。
二人の都会青年の「知」への渇望。
バルザック、A・デュマ、モーツァルト・・・。
禁じられるほどに、それらは愛おしいばかりの美しさを放つ・・・。
二人の青年の対照的なお針子への恋。
一人は溢れる情動の迸るまま奔放に彼女を求め、
一人は内省することにより彼女への想いを結晶化させる。
文字を知らないお針子は、二人の青年から字を習い、バルザックの朗読を聴くことによって、世界の美しさ、人生の可能性、すなわち「自由」に目覚めていく。
彼女にとって自由はこの上なく甘美であった。
知を手に入れることによって開けた新たな世界への扉。
しかしあの時代、扉の向こうに行くことの代償はあまりにも大きい。
自由を知った彼女がとった行動は・・・
美しくほろ苦い青春。
時代が厳しければ厳しいほどに、「知」は宝石のような輝きを放ち、「恋」はせつなく愛おしい。
そこに生々しい「生」がある。
私たちが物質的豊かさと引き換えに失ったものは何か…を、この作品は暗に示唆しているように思えた。
都会青年を演じた二人の俳優の演技が秀逸。
ジョウ・シュンは個性的でエキセントリックな風貌だが、慣れると嵌りそうなコケティッシュな魅力を放つ。
しかし中国映画はあなどれない。。。