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ガセネッタ&(と)シモネッタ (文春文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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   国際会議の同時通訳を本業とする著者のエッセイからは、女性の書き手とは思えない「頑健さ」や「骨太さ」が伝わってくる。人気作家の椎名誠は、極寒のロシアを取材した『シベリア追跡』の中で、通訳として同行した著者を「実際に極寒地帯に入っていくと、(略)いくつかの状況で男を上回る実力を発揮していった」と言っている。辺境地への冒険をライフワークとする椎名に「重いものの考え方」を投げつけられたと述懐させた厳しい旅で、著者が見せたエネルギッシュな行動力は、本書にもたしかに反映されている。

   日本の国際交流は鎖国時代と変わらないと一刀両断したかと思えば、「フンドシ」や「クソ」といった下ネタが臆面もなく飛び出すという具合に、「強靭な心臓と図太い神経」が必要という同時通訳の現場でつちかわれてきたストレートで聡明な物言いは、きわめて痛快である。

 「カレーライスとライスカレーがどう違うのか、あるいはクソと味噌がどう違うのか」といった文章を、話し手の言葉の真意をつかみ、瞬時に翻訳しなければならない「根本的に無理がある」同時通訳の現場には、著者が語るように「喜劇」の要素が詰まっている。そうした喜劇の数々は、同時通訳者たちの知られざる生態や、国際会議の意外な舞台裏を存分に伝えてくれる。カレーライスの文章がどのように翻訳されているか、本書にてご確認いただきたい。ちなみに、カレーも味噌もロシアにはないそうである。(中島正敏)

自動翻訳は100年は完成しない ★★★★★
「としまえん」のダジャレの話を読むと、自動翻訳なんて100年は完成しないだろうと思う。

この本を読んで、米原万里さんのファンになってしまった。
同じ本を3冊も買ったのは、これで2冊目。
1冊は入院中の友人にプレゼント。
もう一冊は自分が入院した病院の看護師さんにプレゼント。

こんな面白い話を書く人が、亡くなってもう書いてくれないなんて寂しい。
合掌。
痛快! ★★★★☆
通訳を目指す人に是非お薦め!
通訳の難しさを事例を踏まえてしっかり書いてあります。
時代背景・御国の習慣等、通訳として読み書き話し以外のところの難しさが満載です。
単純に英語が話せるだけで通訳を目指す人々が多いので、進路を決める前に必読の一冊です。
最初の本 ★★★★★
友人から「面白いよ」とプレゼントされて初めて読んだ米原さんの本です。
3カ国への留学経験があり、添乗員&通訳をしていた私にとっては、とにかく「うんうん、そうそう」と、うなずきながら読める面白い本でした。長年、自分の頭の中だけでうっすらと感じていたことが、そのまま文章となってズバリ表現されているのに感動。非常にスッキリしました。
これをきっかけに、彼女の本を読みあさるようになったのですが、小説を読む前にこれを読んでおいて良かった〜と思います。エッセイにおいては、この本が最も内容が凝縮されているように思うし、私は個人的に何度も読み返したい一冊だと思っています。
下ネタが好きなのは世界共通 ★★★★☆
全体を読んで、ガセネッタさんとシモネッタさんをわざわざ引き合いに出す必要性はなかったのではないかと思ったが…まあ、内容が面白いのでいいや。通訳時におけるコミュニケーション(通じた奇跡話&ディスコミニュケーションが発生した時のドタバタ話)、世界各国を知るがゆえの含蓄に富んだ考察…やっぱ、この人ならではの感性・文章だと思う。

「おんなじ人間でしょ」というところに立脚しているから、人を見るまなざしが優しい。だから、文章を読んでいても安心できる。いま、なんだか世の中が殺伐としてるけど、こんな時代にこそもっともっとメッセージを発信していて欲しかった。
アメリカ人はどこでも英語で通すけど、ソ連は85カ国語のエキスパートを養ったとのこと ★★★★★
 売れっ子になる前というか、まだ同時通訳という肉体労働半分の仕事を精力的にこなしていた頃の単文を集めたような本。でも、これって編集者の愛が構成にも感じられるというか、たぶん『旅行者の朝食』と同じ方ではないかと思うのですが、著者への愛が感じられて、飽きずに読ませてくれます。当時は評判が地に落ちていたロシアというかソ連について、それほど捨てたもんじゃないんだ、ということを一生懸命、説明しているところが切なくていいです。

 個人的に非常に感心したのは『フィネガンズ・ウェイク』を訳した柳瀬尚紀さんとの対談。今の国際会議などで使われる翻訳者のブースなどを含む同時通訳のセットはIBMが戦前に開発したそうです(なにせ元々International Business Machineですから)。最初に納入されたのか国際連盟だそうですが、当時の国際後は英語かフランス語だけだったので、たいして役に立たないということで1回しか使われなかったそうです。IBMの同時通訳セットを本格的に使用し、その後、規模を拡大させていったのはコミンテルン。さすが万国の労働者よ団結よせ!ですw