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冥途

価格: ¥2,415
カテゴリ: 単行本
ブランド: パロル舎
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好きな収録作品が変わりました! ★★★★☆
内田百けん先生の小説集、『冥途』。
これまで、一番のお気に入りは、表題作の「冥途」でした。
ですが、この金井田英津子さんの画により、
まったく別の作品が好きになってしまいました。

それほど、金井さんの画が、素晴らしかったのです。
どこかノスタルジックでユーモラス、幻想的でそこはかとなく可愛らしい。

しかし、その世界をたっぷりしっかり楽しむためにも、
まずは底本である内田百けん先生の本(字のみ)を読んでからが良いでしょう。

ちなみに、私が新たに気に入ってしまったのは「件」です。
ラストに出てくる画が大変に素晴らしい!!
思わず、ふふっと笑ってしまうこと請け合いです。
でも、そのためにはちゃんと底本を読み、著者の写真までをもチェックしてくださいね。
ひと味もふた味も違う、文豪の見る夢 ★★★★☆
 夢の世界である。漱石の「夢十夜」のように夢の形式をとった小説ではなく、百閧フ見た夢そのままを書いたものであるというが、やはり文豪の見る夢というのは、私のような一般人とは格が違うのか、とてつもなく細かい。夕日が染める空の色だとか、葦の原を渡る風の音だとか、微かな光の変化まで、夢それ自体が一編の詩となっている。
 金井田氏の挿絵については、面白いと思うけれど、ちくま文庫の内田百闖W成「冥途」を読んだときに思い描いていたイメージとは少し違った。もちろん、人が受け取る印象はそれぞれ違って当然だけれど、私はもう少し、夢の世界であるゆえがの曖昧さとか、懐かしさみたいなものを想像していた。
本棚の一番良い所に置いてます。。 ★★★★★
 1篇読み終えるたびに怖さに胸がちぢんだり、悲しくて泣けてきたり・・・。そのどれもが、話は唐突で詳細は漠然としているのに、印象は強烈で緊張感が絶えません。挿画と物語がぶつかりあってできた異世界へ飲み込まれるような感覚がありました。終いには文章を読んでいるのか挿画を眺めているのかわからなくなります。
 最後のページの「春夏秋冬 日没閉門~」をみて思わずクスリと笑い緊張感が解れました。この構成良いですね。装丁も良く、本棚のガラス戸部分に他シリーズと共に大切に保管しています。。。
胡蝶の夢 ★★★★★
蛍光灯に染みもあばたも埃も赤裸々に照らされ合成洗剤で隅々まで磨きたてられた暮らしの中で日本人が過去においてきた闇の世界を、金井田氏の圧倒的な挿絵が、すぐ鼻の先に突きつけてくる。

そして、耳もとで急に、聞きなれない言葉をささやかれる。恐ろしいのはその言葉を、その言葉が言わんとすることを確かに知っていたことだ。

ずっと忘れていたけれど確かに知っていた感覚が、深いところに眠っていた感情が呼び覚まされる。

内田百閒とは、誰よりも「生きた」人―生きてここにあることに戸惑い、その不思議を自分に問いつづけた人であるに違いない。
そしてこの生きることの不思議こそが、この恐怖の根源であるのだろう。

胡蝶の夢 ★★★★★
蛍光灯に染みもあばたも埃も赤裸々に照らされ合成洗剤で隅々まで磨きたてられた暮らしの中で日本人が過去においてきた闇の世界を、金井田氏の圧倒的な挿絵が、すぐ鼻の先に突きつけてくる。

そして、耳もとで急に、聞きなれない言葉をささやかれる。恐ろしいのはその言葉を、その言葉が言わんとすることを確かに知っていたことだ。

ずっと忘れていたけれど確かに知っていた感覚が、深いところに眠っていた感情が呼び覚まされる。

内田百閒とは、誰よりも「生きた」人―生きてここにあることに戸惑い、その不思議を自分に問いつづけた人であるに違いない。
そしてこの生きることの不思議こそが、この恐怖の根源であるのだろう。