政官財暴の癒着
★★★★★
本書には一般のメディアが触れたがらない、日本の社会の真実が良く描かれている。
すなわち、
1)日本を本当に牛耳っているのは表ではなく裏の社会であるということ。
2)規制緩和とは裏社会、闇社会に対する利益供与に他ならないということ。
3)政官財の癒着はしばしば指摘されるところであるが、実は政官財暴の癒着なのであり、一番の要の部分は暴に他ならないということ。
特に2)については小泉純一郎氏の出自、祖父の代から続く裏社会との密接な関係を考えれば、規制緩和を中心とした小泉改革の真の意味が容易に理解できる。そして小泉氏をサポートした、竹中平蔵氏も相当に怪しい人物であることは一目瞭然である。
世の中の真実を理解するためには役に立つ本だと思う。
資本の論理
★★★☆☆
資本の論理のまさにドロドロの部分を淡々と記している。
さすがに少なくなったが、未だにこの本に登場してきたメジャーな名前の方々を礼賛する声も若い世代にはある。株式市場のルールを破ったのかそれとも間隙を突いただけなのか、素人の私には良くわからない。しかしながら、言えることは、結局株式市場でのこの手の荒稼ぎは、昔からそうであったように弱者からの搾取によって成り立っているのだということである。
この本を読み終わった後、株式市場を見渡してみると、ヤクザ株主の餌食となりそうな会社がいまだに存在していることに気づくだろう。
事件の復習にどうぞ。
★★★☆☆
事件当時は、当事者の逮捕や事件の経過についての過熱報道が続き、まとまりを欠いた状況でした。本書を読むことで、事件の内容、何が事件性を有していたのか、事件当事者の略歴などを整理された状態で知ることができます。
事件を、一過性の熱病のよう捉えるのではなく、反省批評の対象として捉えたい方には簡単で読みやすいです。
ゴシップ好きで、週刊誌のようなセンセーショナルな内容を欲する方には物足りない内容です。