上記1.2.については、読んでいて非常に気になりますが、新刷で徐々に減っていくものと思われます。
3.については、多少はやむを得ないとも思いますが、最低限の解説は本書で行うべきではないかと思います。
一番の問題は、4.5.です。冒頭のはしがきには、「民法初学者向けの分かりやすい民法テキスト」「判例を中心とした要領の良い全体的な知識の確認」と記述されています。平野先生のこのコンセプトには大賛成ですが、本書がそれに成功していると思えません。
現在は、こういったコンセプトのテキストが複数出版されているので、独学の方は、他のテキストも検討された方がよいと思います。
この「基礎コース民法」の特徴は、情報を厳選した「基礎学習」にあります。
司法試験の択一試験・論文試験は「基礎」を聞いているのだ、
そのような最近の予備校の分析にも合致してます。
ではいったい何が試験に必要な「基礎」なのでしょうか?
永山先生・山島先生・北出先生をはじめ多くの合格者は次の2点をあげています。
1.「原則→例外」「原則→修正」の明示
2.学説対立を最低限にとどめている。判例重視
本書はこの点が徹底されています。
初学者から論文受験生まで、まさに現代のダットサンです。
【総則・物権】
特に、抵当権の判例整理はとてもわかりやすいです。
条文・原則→例外、を徹底した基本書です。
1.「原則→例外」「原則→修正」の明示
2.学説対立を最低限にとどめている。判例重視