Live
価格: ¥2,469
2枚組25曲収録の本作では、ブルーグラスのトップバンドであり最も名高いクロスオーバーバンドが、2002年春ルーイヴィルで行った2夜のライヴを耳にすることができる。クラウスの暖かく軽やかなボーカルは一音節のなかにさまざまな感情を込め、スタジオ録音よりさらに充実しているが、官能的な魅力やドラマチックな緊張感は失われていない。
たとえば、男を誘惑する女のことをもの悲しく歌うDISC1<1>では、申し分ないボーカルを披露している。また、そうして誘惑する女と救い主の出会いを歌うかたわらでは、ジェリー・ダグラスのドブロが情熱と痛みに満ちた旋律を響かせている。バンジョー・ギタリストのロン・ブロック、ベースのバリー・ヘイルズ、ゲストに迎えられ堅実なリズムを刻むドラムのラリー・アタマヌイクを加えたアンサンブルは、軽快なスピード感 (けれどもDISC1<12>では駆け抜けるように進む)に、洗練された技術、生々しい情感、スリリングなボーカルを重ね合わせながら、ブルーグラスにジャズやロックやフォークの要素を巧みに織り交ぜている。オーディエンスは一音ごとに魅了され、DISC1<11>では息さえ漏らさず、映画『オー・ブラザー!』でダン・ティミニスキがジョージ・クルーニーの声を吹き替えて歌ったDISC2<4>のカヴァーでは今にも涙をこぼしそうになる。でも、そんなオーディエンスを誰が責められる? そのナンバーこそ、非凡な芸術的才能の詰まった本作の一番の聴きどころであり、ワールドクラスのプレイヤーたちが奏でるライヴミュージックがどんなに素晴らしいかを感動的に証明しているのだから。(Alanna Nash ,Amazon.com)