画期的な書ではあるが…
★★★★☆
2010年6月時点で、三冊発行されている内の一冊。
本書の収録内容は以下の通りである。
大鏡
○花山天皇の出家1
○花山天皇の出家2
○三船の才
○肝だめし
○競べ弓
平家物語
○祇園精舎
○忠度の都落ち
○宇治川の先陣
○木曽の最期1
○木曽の最期2
○木曽の最期3
○大原御幸
宇治拾遺物語
○児のそら寝
○絵仏師良秀
○ねこの子のこねこ
となっている。大鏡は平安末期、平家物語は鎌倉前期、
宇治拾遺物語は成立年、作者とも未詳だが、鎌倉時代
十三世紀の成立だとされる。
これらのうち、大学入試レベルと言えるのは大鏡のみで、
平家物語や宇治拾遺物語は中学国語レベルである。
朗読は多少大袈裟に感じるところも多々あるが、全体的に
レベルは高く、男声と女声が作品毎に交互に収録されている。
やはり収録内容の少なさが気になるので、
作品全体を収録するようなボリュームが欲しかったと思う。
これはいい!
★★★★★
特に平家物語の迫力のある語りは、 聴いて損はないと思います。 平家物語は日本が世界に誇れる財産だとしみじみ思えますから。 この語りと解説で、 平家物語全編を通してやったら、 個人的にはこの上ない幸せなのになぁとすら感じさせてくれました。
音読は語学の基本
★★★★☆
古文においても英語と同様、音読学習が不可欠であることを意識して実行している高校生はさほど多くないように思われます。本書はそのような高校生のためのお手本を示してくれます。本文の解説も決して淡白ではなく、文法学習を高校の授業で済ませている読者にとっては必要十分でしょう。
朗読の力
★★★★★
阿部一徳さんの朗読の魅力。これに尽きる。あまりになめらかな読みに、いま読まれているのが古典だということが意識にのぼらない。戦の場の語りに、光景がありありと思い浮かぶ。古典というものに対して構えていたこわばった姿勢を砕いていただいた。解説がもっと欲しかったが、それは他の参考書で補えということなのだろう。そんなことで★を減らしたくないと思った。