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Miles Smiles (Reis)

価格: ¥679
カテゴリ: CD
ブランド: Sony
Amazon.co.jpで確認
   1965年マイルス・デイビスは腰の手術を受け、さらに鎌状赤血球貧血という病気になり、母親の死に見舞われた。そんな時期を経て発表された今作が『Miles Smiles』というタイトルになったのは何とも印象的だ。

   今作は彼のもうひとつの偉大なクインテットの2作目(1作目は『ESP』)。マイルス(トランペット)、ウェイン・ショーター(テナー・サックス)、ロン・カーター(ベース)、トニー・ウィリアムス(ドラム)、ハービー・ハンコック(ピアノ)というラインアップだ。このクインテットは1960年代後半に4枚の傑作をColumbiaに残した(残りの2枚は『Sorcerer』と『Nefertiti』)。いずれも必聴盤だが、『Miles Smiles』が最高の出来と言っていい。ショーター作の曲が多く、ウィリアムスの激しいドラムに乗って、マイルスは抽象的な音楽とブルースを融合させている。そしてジャズ界最高のベーシスト、ピアニストも脇を固めた『Miles Smiles』は、情熱的かつ思索的な作品に仕上がっている。マイルスが「エレクトリック」に転向する前の最後の作品のひとつであり、ロックの要素も取り込んでいる。しかし当時のアバンギャルド的な作品とは一線を画し、きちんと曲の構成を意識した作りになっている。その結果、マイルスにとってだけではなく、ジャズ史における傑作アルバムの1枚となったわけだ。(Phil Brett, Amazon.co.uk)

全曲一発オーケーの名演集です ★★★★★
三曲目の名曲「フット・プリンツ」の冒頭、ロン・カーターのおごそかでかっこいいベースラインに導かれて、マイルスとショーターによる品があっておだやかで美しいテーマメロディーが流れはじめます。その刹那(0:25あたり)、右チャンネルから「ケホッ」というセキなのかクシャミなのかどっちともつかないもの(たぶん犯人はトニー・ウィリアムス)が聴こえてきます。普通だったら「コラッ!」と言いたくなる所ですが、この曲を最後まで聴き終えるころにはそのあまりの名演ぶりに文句なんて言えなくなってしまいます。本作は全曲一発オーケーのワン・テイクのみで録音されたと言われています。そしてそれら全てが名演ぞろいで、録り直しの必要なしの感を強く抱かせられます。

マイルス個人に目を向ければ、本作は彼の純粋なジャズ・トランペッターとしての最後期の演奏が聴けるものと位置づけることが出来るかもしれません。次作の「ソーサラー」以降、マイルスのソロは少しずついわゆるジャジーなスタイルから遠ざかっていくことになるのです。本作のマイルスは、前作「E.S.P.」よりさらに破壊力を増したトニーのドラムにプッシュされて、鋭く猛烈にジャジーに吹きまくっています。
マイルス御機嫌ジャケット!でも内容は濃厚 ★★★★☆
ウェイン・ショーター加入後のマイルスは、次第に弟子達に作曲を任せるようになり、その関係もあってか、サウンドのイメージが徐々に変わってきています。卑近な例を挙げれば夜更けのジャズ喫茶で鳴っているクールな響き。あるいは前衛と伝統の交差する響きです。とっつきにくい面もありますが、何度か聴き込むうちに打ちのめさせる傑作!
マイルスの魔術的サウンドの傑作 ★★★★★
60年代後半のマイルスはとにかくすごい。コルトレーンが聖者として神の国に近づきつつあった頃、悪魔と契約するかのごとく黒魔術の世界に突入し、神秘を漂わせていたのだから。ショーター、ハンコック、カーター、トニーを含む鉄壁のクインテットはフリー・ブローイングのエクササイズを十分すぎるほど積んだ後、ジャズ芸術の最高の高みにたどり着こうとしていた。そのサウンドは音を超え、リズムの限界を極め、インプロビゼーションの無限の可能性を示した。そこにあるのは抑揚のある音の遠近法を超越したフラットなそれでいて等価値に音が存在することのすばらしさを教えてくれる魔術の世界である。おそらくこの頃のマイルスはジャズにおけるアコースティック・サウンドの最高の表現を完成させたのではないだろうか。数あるマイルスの傑作の中でも5指に入る名作だと思う。
マイルス会心の笑み ★★★★★
1966年10月24・25日ニューヨークで録音。
ウェイン・ショーターの参加は『イン・ベルリン』からであるが、サックス奏者としてだけでなく作編曲に素晴らしい才能を持っていたショーターの加入はマイルスが自身のアルバムで自身の曲を演奏するのではなく、メンバーの曲を演奏するという選択をさせるようになる。簡単にショーター加入後のアルバムを列記してみると、
1966年10月『マイルス・スマイルズ』
1967年5月『ソーサラー』
1967年6月・7月『ネフェルティティ』→ここで、ジョン・コルトレーン死去
1968年1月・5月『マイルス・イン・ザ・スカイ』
1968年1月・9月『キリマンジャロの娘』
1969年2月『イン・ア・サイレント・ウエイ』
と繋がっていく。
『E.S.P.』では4曲作曲していたマイルスは本作『マイルス・スマイルズ』では1曲になり、1967年5月『ソーサラー』と1967年6月・7月『ネフェルティティ』ではついに0となっている。メンバーの成長によりメンバーの曲を演奏しながら、実はマイルスの奥底には1967年に登場したジミ・ヘンドリックスに強いインパクトを受け、ファンクとエレクトリックへの止めようのない芽が目覚めていたと僕は見る。漆黒の闇のような完璧なこのクインテットのジャズも実はその時自身で作曲してしまえば、そのような気持ちを吐露してしまいそうだからではなかったのではないだろうか?

真のミュージシャンは心に目覚めた気持ちを隠し通すことは出来ない。ファンクとエレクトリックへの止めようのない芽はマイルスの中で急速に巨大化していく。そして全てを吐露したのはその3年後だった。

マイルスの笑みもこぼれる Quintet の魅力全開の傑作! ★★★★★
 64年「Four & More」、65年「Live at the Plugged Nickel」といった超絶ライブを経て、満を持しての 66年スタジオ録音ですから、物凄いアルバムなのは聴く前から明らかです。遥かな高みに到達したクインテットの、緊張感・疾走感にみち、アブストラクトな魅力あふれ、オリジナリティの固まりみたいなこのアルバム、最も進化したアコーステック・ジャズの一形態を感じます。

 個人的には特に前半3曲、聴いていると体に電流が走ります。Ron Cater のベース・ラインが印象的な Shorter 名曲「Footprints」など どうですか! 空間をねじ曲げる磁力を放つ Miles のトランペットに、テンションを自在に操る Shorter の神懸りテナー。Herbie Hancock の異次元から飛来してきたかのような恐るべきバッキング。Tony Williams のドラムがまた、この楽器が生命体であることを感じさせる驚愕の体験。金縛りです。あまりのカッコ良さに身動き出来ません。