この本は、僕の読んだミステリーの中では、五本の指に入るほどの名作です。『軽井沢のセンセ』こと、推理作家・内田康夫と、警察庁刑事局長を兄に持つフリールポライター兼名探偵・浅見光彦が、浅見の愛車・ソアラで、和歌山の熊野古道を駆け巡る！　最後の場面に、浅見のソアラは大破しますが、そこは売れっ子作家の『軽井沢のセンセ』、ニューソアラをプレゼント（実は頭金を払っただけ）という、オマケ付き。ちなみに、この時大破した、浅見のソアラは、軽井沢の『浅見光彦倶楽部』の建物の横に停まっている（予断だがそのソアラのナンバーは『浅見３３　あ　３２－１５（ミツヒコ）』らしい）

推理作家の内田康夫が、浅見光彦と共に補蛇落渡海の再現を取材しに行くという話だが、そういう日本の歴史的行事や熊野古道などの観光地の描写がうまく書かれているので、そういう部分が興味深かった。
浅見が警察に捕まって、身元を調べられた時、浅身のお兄さんが刑事局長なので、警察の態度ががらっと変わってしまうところが愉快です。