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思考をひらく―分断される世界のなかで (思考のフロンティア (別冊))

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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優れた分析と鋭い指摘、物足りないオルタナティブへの議論 ★★★★★
姜尚中・齋藤純一・杉田敦・高橋哲哉の4人による発題と討論という形式を取った、「思考のフロンティア」シリーズ第1期のまとめとして位置づけられる別冊である。

2002年早々に出版されたという時代を反映して、9.11や「文明の衝突」をめぐる議論が目に付くが、そこで展開されている議論は、現状分析や問題点の指摘においてたいへん鋭く、それぞれの研究者の「いいところ」が討論によって存分に引き出されている感がある。そうした意味で、とりわけ現代思想や政治理論に関心を持つ人には、たいへん有益な本であろう。

にもかかわらず、そうした分析や指摘の果てに浮上してくるオルタナティブへの議論が、リージョナリズムや「境界線のない政治」やに落ちていくというのが、個人的には不満である。それらにはらまれている問題すら、それまでの議論の中で触れられているはずなのだが…。

むろん、そうした問題は承知の上で、まあ当面そちらに向かうしかないかな…といった確信犯的オチとして示されているのだとは思うが、仮にそうだとすれば、噴出することが容易に予想される(ナショナリズムとパラレルな)諸問題へのケアは、どこでなされるのだろうか。

そうした疑問を抱きつつ読み進めたせいか、討論のまとめ部分が予定調和的過ぎて、かえって落ち着けない気分にさせられた。もっとも、こういう気分にさせられることは、「思考をひらく」というこの本本来の目的からすれば、それほど悪いことではないのかも知れない。

杉田敦のあとがきが「問いつづけること」という副題をつけている点は、その意味でなかなか示唆的である。「思考をひらく」ためには、安易な結論に安住してはいられないのであって、「問いつづける」ための出発点としては、手に取る価値の高い、優れた一冊である。
自分の立ち位置を再検討させてくれる好著 ★★★★★
本書『思考をひらく』は、岩波の第一期「思考のフロンティア」シリーズの最終巻である。姜尚中、高橋哲哉、杉田敦、齋藤純一の四人が9.11テロの突きつける絶望的な世界の現状に関し議論する。

本書を通して、「文明と野蛮」といった単純な二元論が何を覆い隠しているか、そのような二元論を生んだ「近代」とは何だったのか、といった問いかけがなされる。メディア等によって多くの人が所与のものとして無意識に受容している思考様式が、いかなる「見えざる抑圧」の上に立っているか。文字通り「思考をひらく」ことの重要性が痛感させられる。社会科学を学ぶものには不可欠の視点を提供してくれる好著である。本書を最初に読むことで問題意識を涵養してから本シリーズの他の本にトライしていくといいかもしれない。
現代を考えたい人の出発点に ★★★★☆
本書は,現代社会ã‚'è«-ずるにあたって欠かすã"とのできない,思想・å"²å­¦ã®åŸºç¤ŽçŸ¥è­˜ã‚',æ°-鋭若手学è€...たちが手際良くæ-™ç†ã-た好è'-「思考のフロンティア」シリーズの最終巻にあたる.シリーズのä»-の巻は,一人のè'-è€...の手になるが,本書は,姜尚中・齋è-¤ç'"一・杉ç"°æ•¦ãƒ»é«˜æ©‹å"²å"‰ã®ãã‚Œãžã‚ŒãŒå•é¡Œæèµ·ã®å°æ-‡ã‚'まず掲ã',それに基づき四人で討議する形式ã‚'採っている.

シリーズ各巻は個ã€...のテーマの総è«-的なå†...容であったが,本書はシリーズå...¨ä½"の総è«-的なå†...容となっている.グローバリズム・9・ï¼'ï¼'事件・ナショナリズム・デモクラシー・å-åŒ-問題・ä¸-界システムè«-・社会保障問題・移æ°'・アメリカの「帝国」åŒ-…など,è«-じられる話題は多岐だが,一言で言えば「(国際)社会と個人とのé-¢ä¿‚ã‚'どのように考えるべã!!!か」が本書のテーマだと思う.

個ã€...のè«-点への処æ-¹ç®‹ã«ã¤ã„ては,è«-è€...é-"に多å°'の温度差が見å-ã'られるものの,「実際にあるよりもはるかにå°'ない選択肢ã-か見ず,極端にいえば,最初から結è«-ã‚'決めてã-まっている」(杉ç"°æ•¦ã«ã‚ˆã‚‹ã€Œã‚とがき」より)ような偏狭なものの見æ-¹ã‚'æŽ'ã-,複眼的に考え「思考ã‚'ひらく」ã"との大切さã‚'è¨'えている点では,四人の姿勢は同じである.根底にあるのは「人é-"の尊厳」の重要性だろう.
ç'™å¹...のé-¢ä¿‚で物足りなさは残るものの,å†...容的にはシリーズのã-めくくりに相応ã-い一冊.シリーズのはじめに読ã‚"でもいいだろう.お勧め.