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韓非子 (第3冊) (岩波文庫)

価格: ¥987
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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《奇法/奇策》の宝庫です。 ★★★★★
私が、中国古典の中で一番好きな本は、孔子の『論語』である。孔子の説く《仁》の思想は、マザー・テレサを尊敬する私としては、深く共鳴できる。中国古典の中で最も重要な本は、私にとっては、やはり孔子の『論語』である。しかし、中国古典の面白さは、その多様性にある。たとえば、この『韓非子』なんかは、孔子の説く《仁》とは正反対の、《悪知恵》の塊のような本であるが、それが逆に面白いです。人生というものは、基本的に《ケース・バイ・ケース》が原則です。《正攻法》が通用しない時には、やはり《奇法/奇策》を使わなければいけない場面もあります。もちろん正攻法だけで通用するのなら、奇法/奇策を使う必要はありません。でも、正攻法が常に通用するほど、世の中は甘くありません。ある意味、奇法/奇策の《宝庫》とも言える『孫子』、『呉子』、『六韜』、『三略』、『荀子』、そして、この『韓非子』などは、真面目な人ほど読むべき《名著》なのかも知れません。非常に、面白いです。
【もし鳥を飼い馴らそうと思ったら、下羽を切り取ってしまうこと。】 ★★★★☆
 先哲の知恵の中から、レビューア自身の理解と解釈により再構成したものを、一つご紹介いたします。本書に出会うための一つのきっかけにしていただけたらと思います。

【もし鳥を飼い馴らそうと思ったら、下羽を切り取ってしまうこと。】

 もし鳥を飼い馴らそうと思ったら、逃げてゆけないように、その下羽を切り取ってしまう。

 そうすると、人に頼ってえさを食べないと生きていけないから、どうしても人に馴れないわけにはいかない。

 実は、人を使う場合も原理は同じである。

(韓非(BC280?- BC233))

命題集〜未来へ引き継ぐ人類の知的遺産:未来のための哲学講座
中国マキャベリズム - 法家思想の集大成(岩波文庫第3冊) ★★★★★
韓非子は秦の統一のころの韓(洛陽付近)の人で、その政治理論の評判を聞いた始皇帝に請われて秦に赴き、そこで同じ筍子の門下生だったといわれる楚の出身の丞相(総理大臣に相当)の李斯に怪しまれて毒を仰いで自ら命を絶つことを命じられた。韓非子は自著で君主に意見具申することが如何に難しいことがを説いているが、それを自らの人生の悲劇で証明してしまったのである。「矛盾」「蛇足」などの言葉を生み百家争鳴期の思想家のなかでは歯切れのよい批評的文章を書いた人物としては、かの孟子と双璧をなすだろう。よく「孫子」との優劣を議論されるが「韓非子」は政治理論を説き「孫子」は軍事理論を説く。もとより役割が違うのであって、そういう議論は不毛だと思う。「韓非子」が説く非情なマキャベリズムは、現代人にも傾聴に値するものがあるだろう。秦以降の中国の歴史は、その後儒家思想を建前として、実は法家思想に基づく皇帝専制政治が清代まで続くのである。
秦の始皇帝も感心した割りきった方法論 ★★★★★
 本書は,国家をなるべく長い間維持していくことを目標として明確に掲げて,その手段としての支配者の心構えを説いたものです。そして,本書で重きを置く国家とは,すなわち君主の支配権のこと。つまり,一人の人間が多衆を効率的に支配しつづけるにはどうすべきかを説いたものということになります。

 面白いと思ったのは,どうせ君主も有徳の聖人ではありえないし,民衆も義理堅い善人であるはずがないのだから,ボンクラがコスカライ人間を思い通りに動かすにはどうすべきなのか,という,まるっきりシラケきった開き直りを出発点として物を考えている点です。そのミもフタもない人間観は,奇妙にリアルでうがった説得力があります。中国の古典というと連想されがちな,納まりかえった訳知り顔の臭㡊??が本書にはなく,なんだか爽やかにさえ感じられました。

 この第三冊で魅力的なのは,「難」篇と称される一連の論集です。そこでは,当時評判だったいろいろな故事とその解釈について,「いや,それはおかしい」と,韓非子の立場からツッコミを入れています。どちらの考え方をもっともだと思うのか,それは結局読み手の考え方次第ということになるのだとは思います。ただ少なくとも中国の故事について時折感じられる,「そんな捉え方ばかりではないと思うのだけれど」という不満を,韓非子が共有してくれているのを見ることで,「やっぱり納得いかないのは自分だけではないんだな」と安心することができると思います。そうすることで,そうした批判を経てなお永らえてきた故事についての解釈を謙虚に深めて!いこうという気にもなってきました。

 四分冊とかなりの大部に感じられますが,白文,読み下し文,訳文と註解がついての分量です。実質的には半分以下のボリュームということになると思います。