煮え切らない作品が目立ちます。
★★★☆☆
やはり女史は短編より長編だな、
ということを再認識させられてしまう
短編集です。
多分そう感じてしまうのは
女史が余り短編向きの文章表現では
ないからなのかもしれません。
詳しく言えば、
最後のほうがどうも詰まったように
感じてしまうのです。
ページ数が普段より少ないせいなのか
どうも描写に限界があるような感じです。
なので読者側から見ればなんだか煮え切らなく
感じてしまうのです。
それと割とポアロものの作品は
ある程度作品を読んでいれば
短編集独自の指定パターンが
あることに気づくはずです。
あまり目立たない作品ばかりですが
非ミステリー作品は
非常に印象的なはずです。
今の季節に見たら
ある場所に行くのが怖くなってしまうかもしれませんよ…
いまいちでした。
ポアロものを中心にした短編集
★★★★★
ポアロものを中心にした短編集。
なぜ、ポアロもの以外を入れたのかの趣旨の説明がない。
短編ものでは、似た作品があったり、重複して収録していたり、
単行本、文庫にするのであれば、収集の方針を示して欲しい。
「クラブのキング」は、終わり方が解せない面もあった。
警察ではないとはいえ、犯罪に対する対応方法は、どうなっているのだろう。
ポアロの性格からすると、長編の方が合うような気がする。
短編にどんでん返しはあるか?
★★★★★
13篇の短編集であるが、それぞれの作品はごく短い。
しかし、多くのエッセンスが凝縮しており、じっくりと読む必要がある。
登場人物のたった一言、ちょっとしたキーワード、脇役的登場人物の存在など、
眼をアンテナの様にして、注意深く読み進まなければ、犯人に到達しにくい。
逆に、注意深く読めば、短編故に、犯人を推理出来ない事もない。
私は、赤鉛筆を用いて、ポイントをチェックしながら読み進んだ。
すると、著者の長編に比べて、内容を整理しやすかった。
本書では「呪われた相続人」は、祟られていて、一族が次々と死ぬ。
こういう小説では、祟られている=殺人鬼の存在を意味している、と言える。
この作品は、特に「呪われている」事がミステリアスで、面白かった。
著者の長編作品では、読者に○○が犯人?と思わせておいて、
実は、思わぬ真犯人が現れるというパターンが多い。
つまり、強烈などんでん返しだ。
はたして、短編作品にどんでん返しは仕組まれているのか?
そんな事を思いながら読むのも、楽しみの一つだ。
短編もいいです!
★★★★★
短編がぎっしり詰まった一冊です。「クリスティーは一気に読みたいけど時間が無い・・」という人には短編集がお勧めです。短編でも手の抜かれていないおもしろさなので、空いた時間に1話ずつ読んでも満足感があります。クリスティーは話の面白さはもちろんですが、人物の描写が巧みなので勉強になります。『洋裁店の人形』はいつもと違った趣で印象に残りました。