インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ダライ・ラマ瞑想入門―至福への道

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 春秋社
Amazon.co.jpで確認
ラムリムは歴史的な一切経の教相判釈 ★★★★★
本書は、パンチェン・ラマ四世ロサン・チューキ・ギェルツェン(1570〜1662年)の『ラムリム・デラム(菩提道次第・安楽道)』を解説している。
ところで、最初の「ラムリム」は、阿含経から後期大乗経典までの一切経を教相判釈したアティーシャの『菩提道灯論』である。これは、11世紀のチベット王がアティーシャに「顕教と密教、仏陀釈尊の聖教すべてをまとめ、悟りを希求する者が誤ることなく、しかも実践しやすく、さらには一般にも役立つ因果の法則に基づく教えを広めてくれ」と要請したことで誕生した。
このように、最初の「ラムリム」には混乱を収拾するために無理を承知で一切経を体系化した経緯があり、6世紀の中国で一切経はすべて釈尊の説法と信じた場合の矛盾を解決して体系化した天台智ギ大師の教相判釈「五時八教」と似たところがある。
アティーシャ以後のラムリムを集大成したツォンカパの『菩提道次第広論』では、三段階の人士の修行を説く。下品の修行は、「十善戒」等が相当する。中品の修行は、輪廻からの解脱を目指すもので、小乗仏教の実践内容が対応する。上品の修行は、一切衆生のために成仏を目指すもので、大乗仏教の実践内容に相当する。しかしこの三者は、一人の修行者が段階的に実践するための位置づけである。

現代であれば、ラムリムをブッダ釈尊の教法に戻すことも可能である。下品の修行は、釈尊が凡夫を導けるかどうかを見極めるための説法である「施・戒・生天の三論」と「欲の禍患と離欲の功徳」を聴聞して理解する段階である。これらは、「五位」(説一切有部や瑜伽唯識学派の修行理論)の資糧道と加行道にそれぞれ対応する。中品の修行はシュダオン(預流)、シダゴン(一来)、アナゴン(不還)に相当する。「五位」の見道がシュダオンの聖者、修道はシダゴンの聖者とアナゴンの聖者に対応する。上品の修行は阿羅漢の聖者に相当し、「五位」の無学道に対応する。
ここまで理解できれば、現代人は釈尊の残された実践的な四念処法を説くパーリ語経典・相応部の『Anapanasati-Sutta(出入息念経)』を実践すれば十分だが、修行者の適性や好みに応じてラムリムの伝統的な修行を取捨選択して付加するのは構わない。