ママがかっこいい!!
★★★★★
お気に入りの本です。
普通の主婦なのに、実は英語ペラペラ、度胸もすわり、
射撃の腕もプロ級。
家族にはそれを隠していて、ごく普通に過ごしているのに
ある時、一本の電話が…。
でも、スパイパーにはスナイパーなりの心の痛みがある
ものなんだ、と思わせるくだりもあり…。
ママのそばにくっついている「彼ら」に、なんだか親しみさえ
わいてきます。
そして、ラストになって、驚かされてしまいました。
切ないですねぇ・・・。
とにもかくにも、ママがかっこいい!!
ありえないストーリーかもしれないけど、
荻原浩さんの作品は登場人物の細かい心の描写が
とても胸にせまります。
私は大好きな作品に出会うことができました。
爽快!!
★★★★★
読み終えて、気分爽快!!
荻原浩さんは初めて読みましたが、ほかの作品も読んでみたくなりました。
レビューで内容を伝えてしまうのには抵抗がありますので、あくまでワタシの感想だけですが。
曜子のその後も想像したり、スッキリした後味でした。
曜子と福田家のみんなに、ゴッド、ブレス、ユー、です!!
平凡な主婦である、曜子が家族を守るハードボイルド小説
★★★★☆
前半は、昔やっていたスナイパーの仕事を家族のために実行する。後半は娘の珠紀をいじめていたリーダー格を精神的に追い詰めることで、家族を守る。要は、平凡な主婦である、曜子が家族を守るハードボイルド小説ということなんだろう。
ママのたくましさが際立っている。珠紀をいじめていた輩に銃で脅して、精神的に追い詰めるのはやりすぎなんだろうなと思う。でも仕方ないか。ここまでやらないと効果ないかもね。あとは、依頼する人Kという人物は誰か?ということにも注目できると思う。
本書はスカッとするような話で終わってくれれば良かったのだが、最後はちょっと物悲しくなってしまう。そこのところは残念だなと思う。
あり得ない設定なのに、なぜか読めてしまう
★★★★☆
母親が「暗殺者」という設定は正直、余りにも現実味が
無さ過ぎるにも関わらず、意外とすらすらと読めました。
まあ、殺人を犯した人間が普通に一家の主婦として暮らせる
のか(精神的に)とか、「K」は余りにも安易すぎないかとか
言いたい事はいくつかありますが、全体のバランスが良いので
気になりません。と言うか荻原作品でそういう事を気にしては
いけないと思う。
ラストも賛否両論と思いますが、個人的にはあれで良いと思いますよ。
気軽に読めて、お勧めです。
痛快な暗殺
★★★★★
物語の展開が大変面白く、読者の期待を裏切らない。
エドも、ママ(=曜子)も、Kも、実は悪人なのだけれど、あまりマイナスイメージは無い。
それより、娘の珠紀をいじめる同級生を、銃で脅す下りは胸をすく思いで、いじめ撃退の荒療治として、大変面白い。
それにしても、作品は最初から最後まで、銃に彩られている。
平凡な主婦である曜子が、実は卓越した銃の遣い手であるというギャップが面白い。
曜子の子供達は、普通に頼もしいものの、主人は頼りないネ。
この新規事業は、逃避であるばかりか、騙されているのだと、当初から感じてしまう。
それが判明してからも、妙な誇大妄想にしがみついているあたりも情けない。
頼れるママと、頼りないパパという面でも、ギャップが大きい。
ただ、3回目の暗殺の依頼は、実に妙だ。
これから、本書を読まれる皆さんは、この依頼者像を、どんな風に想像されるだろうか?
私は、この依頼者が誰なのか、二人の実名を想像し、最終的には、一人に絞り込んで、読み進んだ。
それは、最終的に的中したが、この部分に関して、推理小説的に想像しながら読むのも面白い。
暗殺という、大変な犯罪を伴うこの作品。
それなのに、暗いイメージは無く、読後感も清々しい。
不思議な魅力を持った、非常に痛快な作品だ。