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最澄と空海―日本人の心のふるさと (小学館文庫)

価格: ¥689
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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日本仏教の基礎を確立した巨人の生涯と思想が丁寧に説明されています。 ★★★★☆
後に鎌倉仏教を生む母体となる、生きとし生けるものすべてが仏になり得るという仏性論の確立者・最澄。真言密教を中国で2年足らずですべて修得し、日本に帰国後理論をさらに深めた万能の天才・空海。最澄が旧仏教側の僧・徳一との壮絶な論争の結果として上記仏性論を確立したことは司馬遼太郎の街道をゆくシリーズの白河・会津のみちで、比叡山に篭る感動的な決意表明は同シリーズの叡山の諸道で触れられている。また、後世の日本仏教に与えた影響の点では、碁に例えると最澄は木谷実、空海は呉清源で、鎌倉仏教の開祖が皆「比叡山大学」出身であるように教育者としては最澄の方が勝り、最澄の教えに鎌倉仏教の萌芽が含まれていたのに対し、真言宗は空海が偉大すぎて理論面では空海以後の発展がなかったこと、その2人の対立は学習における文献重視v.体験重視に帰着し、今にも通じるという明快な説明は逆説の日本史第6巻にある。本書はそれら書物をかじった人はもちろん、日本仏教史初心者にもお薦めの本だ。全体の2/3で最澄、残りで空海について、その生涯・思想の奥義が解説されている。特に最澄に関し、仏性論だけでなく、戒律論・秀逸な教育論がわかりやすい。大乗戒壇設立主張時にも旧仏教との論戦があった。悲壮感すら漂う求道者である。それに対し、密教の奥義の説明はかなり噛み砕いてあるものの、私が行を体験しないことも原因だろうが、難解だ。説明箇所によって重視される本が違う混乱もある。しかし、世界的な密教の発展史、即身成仏に代表されるように現世を重視すること、俗世をうまく立ち回った印象が強い空海が常に山での孤独な修行への衝動を抱えていたことがよくわかる。対立はあるが、仏教が山岳修行と結びついて神と仏が融合し、自然を重んじる日本仏教の親となった点で両者は共通する。最も澄む、そして空と海。名の響きが美しい。日本人の心の基盤の理解に資する本書は良書です。
私のような入門者にとって最適な平安仏教の啓蒙書 ★★★★★
私のような仏教の知識に乏しい(ほとんど無知に近い?)人にとって、平安仏教思想の創作者である空海、最澄の実像を垣間見る上でとても読みやすい良本であると思った。空海の真言密教信仰の部分については、氏はおそらく極めて解りやすく説明しようと努めているとおもうのだが、私のような宗教・哲学音痴にはそれでも理解が追い付かない部分もあったが・・・。ただ、極めて大ざっぱなのではあろうが日本仏教について少しは解った気になり、今後理解を深めていきたいな〜と好奇心を大いにくすぐらせてくれた。梅原氏の啓蒙精神に大きな敬意と感謝の意を表したい。
空海を知るには最澄を知るべし ★★☆☆☆
空海は、同時代の先輩格であり、エリートであった最澄との対比で見ることで、輪郭がより際立ってくる。二人は偶然にも同じ遣唐使団で唐に渡っている。最澄は国費で、空海は自費。まずは本書でこの辺の事実関係を押さえた上で、HNK取材班の「「空海の風景」を旅する」を読むのがオススメです。

この著者の文章は、他の著作もそうなのですが、何とも心が和みます。瀬戸内寂照さんが、「小説を書いたら私くらいにはなれる」と言ったとか何とかいう話もなるほどと思います。

なお、最澄の偉業を知りたい方は、本書の後に「三人の祖師―最澄・空海・親鸞」を読まれる事をお勧めします。

それぞれの彫りは浅いので星二つとしましたが、まとめ或いは入門としては好いと思ひます。
初心者向きです ★★★★☆
色々なところに発表された文章を纏め上げた、という構成なので、
中で重複する記述がされているところも散見されます。
だからこそ、私のような初心者にとって読みやすい本でした。
特に最澄をあつかった第一部は、文章自体も非常に読みやすいです。
空海の思想にも触れられているのですが、分量が限られているためか、
「なんだかすごいらしい」という以上には理解が進まなかったのが残念です。
それぞれをもっと深く ★★★★☆
日本の仏教を語る上で重要な2人の偉人につての本です。ページ数はほとんど半々なのですが、作者は空海の方が思い入れがあるようです。私は最澄の方が好きなのですが・・・。2人を1冊の本にするより、それぞれをもっと深く書いた本を読みたいと思いました。ただし、2人に興味がある人なら充分に楽しめると思います。