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偽書「東日流外三郡誌」事件 (新人物文庫 さ 1-1)

価格: ¥800
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新人物往来社
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偽書派の意見を簡単に把握するには最適。 ★★★★☆
「東日流外三郡誌に興味がある」という初心者にはピッタリです。
読めば読むほどに「よくもまあコレを本物だと思えたな・・・」と呆れること請け合い。
擁護派がどう足掻いても反論できないことが目白押しです(未だに諦められない方もいるようですが・・・)。
一読してほぼ全編において同調・共感できましたが、30代の私には外三郡誌から感じられるという「中央に隷属してきた東北人の重い情念」というものが理解できずじまいでした(私は山形の出身です)。この偽書を作り上げ、論争の種となったであろう感情に触れられない世代な私。
冷静な判断を下すには好材料でも、その地方特有の文化や精神が自分に根付いてないのかと思うとちょっと寂しい気分になりました。
そういったことを確認できるという点から、東北の方には別の意味でオススメです^^
当時はちょっと信じかけました ★★★★★
学生の頃、「謎の東日流外三郡誌」という本を読んだことがある。
江戸時代の人が津軽に伝わる民間伝承を聞き書きしたという「東日流外三郡誌」の
内容を紹介した本であったが、
今でも覚えているが、そこで紹介された内容は

・神武東征で敗れた長脛彦が東北に逃れて蝦夷の王になった
・のちに孝謙天皇として即位した阿部皇女が実は蝦夷の王家・安部一族の娘であった
・古代の安東水軍が北東アジアの海を制覇した

というビックりするようなものであった。
白状するとこれを最初に読んだ時は危うく信じかけた。

古代の東北にいた蝦夷というのは、蝦夷の側からの文献記録が皆無で、
歴史などあまり実態がわかっていない。
だから、ついに蝦夷の側からの史書が出てきたかと喜んだものであるが、
ただ、「原人」や「キリスト」に触れたような記述もあり、
いくらなんでもこれは・・・とちょっと引いたのも事実。
だから人に勧めることはなかったのが救いである。

そんな「東日流外三郡誌」について、新聞記者の立場から一つづつ虚構を剥いでいったのがこの本である。
偽書はその内容に感心した人、信じたいと思う人に浸透する怖さがある。
ウソを突き通してウソを補強するためについには自転車操業のようになった「発見者」と、
それを擁護して論戦を張った「学者」は同罪だなと思ったのが実感。
事実は小説より? ★★★★★
嘘でも、確信をもって言い切ってしまうことによって、不思議なパワーが生まれ、それに周囲も巻き込まれていってしまうものなんだなあ、というのが感想でした。
もしかしたら、「東日流外三郡誌」の発見者(著者?)の和田氏は、自分が作り上げた世界を、どこか本当のものとして思い込んでしまっていたのではないでしょうか。
これが公的機関からの出版ではなく、どこかの出版社から出たのであれば、ここまで大きな騒ぎにはならなかったはずですし、もしかしたら古代日本の姿を描いた壮大な奇書として、そこそこの地位を確立していたのではないかと思うと、少し惜しい気もします。
面白い ★★★★★
未だに一部で引用されたりする「東日流外三郡誌」の真贋について明確に知りたいと思い購入。
新聞記者である著者の目を通し、時系列に展開していく偽書っぷりに下手な推理小説を読むよりはるかに面白く読めた。

この手の偽書は往々にして、人々が忘れた頃に繰り返し息を吹き返すものであり、それを防止、もしくは最小限に抑えるために本書の存在意義は大きいと言えよう。
偽書の横行を許すのは誰か! ★★★★☆
 一時、人々に夢とロマンを与えてくれた「東日流外三郡誌」。この本が偽書であることを粘り強い取材によって次々と明らかにしていく。その過程はまるで一篇の推理小説を読むかのようにスリリングである。それにしても専門の日本史の研究者はこの偽書論争にほとんど加わらない。弘前大の小口雅史氏の「黙殺するのが学界の常識」という見解がこの国の学者?たちの一般的な本音を代弁している。偽書だとわかりきった、拙劣な論争に参加するのは自分の研究者としての経歴に傷をつけるようなものだというのが本当のところだろう。しかし、それはある意味、高みから「無知蒙昧な人々」を嘲笑っているのも同然ではないのか?敢然と偽書撲滅に立ち向かった安本美典氏に敬意を表したい。