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カルト漂流記 オウム篇

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 彩流社
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ブログに毛の生えた ★★☆☆☆
過激派とカルト宗教。方向性は違うかもしれないが、批判を許さない観念を内在しているところはどこか通底している。カルト宗教の中での出来事と過激派の論理とを並列に並べて比較することができるのは、過激派に所属したことのある筆者ならではであろう。特に、過激派の総括と宗教での葛藤の比較や、構成員の質の違いの記述は興味深い。
ただ、筆者がオウムに近づく伏線なのかもしれないが、だらだらとブログのように単なる思いを書き連ねている部分が全量の半分近くを占め、しかも記されている思いの方向性が、今ひとつ明らかでない。そのため本書はあくまで「筆者がオウムに対して思ったこと」を記したものとして読まれるべきであって、カルトに関して知りたいと思って読むと内容が薄い印象を受けるだろう。
また、校正不足なのかもしれないが基本的な誤字脱字が非常に多いのが気になる。一度気になってしまうと、筆者独特のテンポのよい文章が台無しになってしまう。出版社の問題かもしれないが、本作りの詰めが今ひとつ甘いように思う。
自分の心に正直な本でした ★★★★★
私も友だちが出家していました。とても真剣に生きている人だったので、何度か道場に足を運んだことがあり、事件がショックでした。友だちのその後の苦労を知っているので、実際のオウムの姿とマスコミの報道のギャップに不満を持っていました。
カルトのレッテルを貼られたオウムですが、若い人たちが物質によって満たされない心の解放を願っていたことが、この本によってわかりました。
内部を知っている人が正直に書いた本がほとんどない中で、勇気ある出版だったと思います。
2作目も面白い! ★★★★★
前作『ILOVE過激派』よりマイルドな筆致だが随所にちりばめられた陰謀論が妖しく光る。
肯定的にオウムを捉える早見女史のテーマは真実の探求。闇に葬られた感のあるオウム事件を独自の視点で総括。内省的な思考を徹底させるという女性には珍しいタイプの作者の生き方は大変興味ぶかい。
愛について考えさせられる本です ★★★★★
私は現在40代のサラリーマンです。私が20代の頃友人がオウムに出家しました。ですから、オウムは当時も今も人ごととは思えません。多くの信者は善良で真面目な人たちだったと思いますが、それがあんな事件を起こすとは・・・。強い衝撃を受けたのを思い起こします。
この本の著者は過激派出身者で、そのセクトを辞めて生きる目的を求めてさまよっていたときにオウムと出会ったと書いています。宗教を否定してきた組織に属していたにもかかわらず、オウムの信者達に会うごとに魅了されて,入ろうか入るまいか逡巡するところまで悩んだと。そのあたりのいきさつが書かれています。属していたセクトとの違いでは、部下の失敗を責める官僚体質と麻原の慈父性、女性が生き生きしていたこと、四無量心(嫌いな人の成功を祈る)の修行や、ネズミやゴキブリを殺さないことが印象に残っていたようです。
その後著者はオウムの変質を敏感に感じ取っていて、地下鉄サリン事件が起こる前に松本サリン事件がオウムじゃないかと推理していた様子も書かれています。そのあたりの洞察力は大したものがあるように思います。また、オウムが変質する過程には何か裏の組織の働きかけがあったに違いないと推論していますが、これはどうでしょう。
とにかく、オウムについては今も気軽に口に出せない雰囲気が残っています。こんな時代に、勇気を持って出版したんじゃないでしょうか。事件のあった当時に、オウムに衝撃を受けた人たちの中には、凄惨な事件の犯人が捕まって裁かれるだけでは割り切れない何かが残っていると思います。オウムを真正面から扱って、諸々の感情を汲み取って表現してくれている点がバッシングだけで終わりがちな他の本と大きく異なるところです。ぜひ、ご一読をお勧め致します。