人間がその寿命を全うしたとき、はたして人間はどうなるのか？
一見、普通の人間には目に見えず、聞こえずという事柄だけに、
科学万能主義（科学が宗教に追いついていないだけなのだが…）の昨今、
ともすると悲しいかな唯物主義に陥ってしまい、
先祖供養や墓参り、果ては葬式、墓そのものまでも不要なのではないか…
と考えてしまう人間が増えてしまうのも無理はない。
（それには、葬式仏教、観光仏教に成り下がってしまった感のある、
説得力のない、いわゆる伝統仏教の責任も大いにあるのでありますが…）

私もその一人だった。しかし幸運（？）にも霊魂の不滅、
霊の存在、輪廻転生を確信する経験に恵まれ、
仏陀やキリストの教えが伊達ではないことに気付いた。

本書は「生長の家」の提唱する先祖供養の方法論であるが、生長の家は
どうやら中心に「神道」を据えている。
勿論、万教帰一の考えであるから、仏教もキリスト教も正しい教えとして
尊重するのであるが、日本人誰でもが受け入れやすいようにとの計らいから
そうしているのだということである。
そうであるからして、本書にも随所に仏教やキリスト教からの引用が見られる。
例えば、神道では…という。このことを仏教では…と表現している。
キリスト教（耶蘇教）では…という。などなどの書き方である。

さて、本書の核心部分であるが、やはり人間にはそれぞれ悟りの段階があり、
寿命を全うして、子孫の力を借りずとも成仏するような高級霊も、
確かに存在するのであるが、まったく迷いのうちに亡くなり、
死後も現世と同じ状態で苦しんでいる霊もやはり居るのである。
そのような不成仏霊を一刻も早く成仏せしめることが残された子孫の義務で
あると説く。
そして「与える者が与えられる」の言葉通り、それら霊は子孫のために
働いてくれるようになるのである。

自力で成仏されている高級霊にしても、供養することは益々もって
子孫繁栄を約束するのであり、供養は高級霊も喜ばれるのである。

昔から、さわらぬ神に祟り無しとか、様々な格言がありますが、
日頃素朴に疑問に思っていた霊的な事象への納得のいく回答も得られました。
正しい理解と知識がないと、供養ひとつとっても不利益を被ることがある。
例えば、むやみやたらと不成仏霊を供養しようとしてはならないなど、
良かれと思ってやろうとすることが、災いを招くこともあるようだ。
理由は、そうすることで迷った霊がとめどなく頼ってくることになり、
凡そ霊能力的に未熟な普通の人間では対処が出来なくなる…ということである。
そのような救ってあげたい霊は大きな寺院や教会などにお任せするとして、
一般人は先祖だけに集中して、供養をするほうが良さそうである。


本書を参考に自分も先祖供養をやってみたいと思う。

霊なんていない、死んだら無になる、と思っていらっしゃる方には全く必要のない本でしょう。
でも、霊の存在を信じて、ご先祖供養を本気でしようと思っていらっしゃる方には最高の本です。本物の心のこもったご供養ができます。仏壇も何もなくても、真心があれば、ご供養はたった今からできるのです。

「供養の本当の意味」「具体的な供養の仕方」がよく分かる一冊です。
字が小さく、目の悪い方は多少読みづらいかもしれません<(_ _)>が、読んで良かった！と思える本です。