ハーレム&家族ものといったところでしょうか
★★★★★
ハーレムもののラノベは数多くありますが、「千人の嫁」というはっきりとした目標を掲げる(主人公、広人の意思ではありませんが)のは、自分が読んできた中ではこの作品くらいです。そうした嫁候補たちとのにぎやかで心暖まる生活を描く第二弾。
今回は、同居人や幼馴染とのお花見デートと、その少し前に偶然出会った記憶喪失の幽霊少女、ひかるに関するお話です。桜咲き誇る遊園地でのお花見デートでは、ねこがみさまがちょっと嫉妬したり、幼馴染とえっちぃハプニングがあったり、ひかるに関してなにやら不穏な空気が漂ったりと見所たくさんですが、一番笑ったのは守宮とみっちゃんの絡みの部分。一巻でいざこざがあったせいか、二人は表面上穏やかなのに、めちゃくちゃ対立姿勢を見せています。特に、ホッケー対決のくだりはやばい。それほど長くないし、ばかばかしいのに、すごい笑えました。
ひかるの過去を探るためあれこれと奔走する広人ですが、その過程で自分や同居人の妖したちのことを見つめなおすことになります。そこにあるのは広人の祖母、おりんの存在。一巻からは考えられない意外な一面も発覚するおりん婆ちゃんですが、この人がいたからこそ、今のお人よしな広人や心優しい妖したちがあるんだなぁ、と読んでて思いました。「忘れなさい」という言葉は、なるほどと個人的にも思います。
ラストは賛否両論あるかと思いますが、個人的にはこういう展開の方が好みなので問題無し。ゆえに自分は星五つをつけました。参考程度にとどめてもらえればよいかと思います。
明らかにうはうはハーレムものなのに、主人公に対するある種の「苛立ち」のようなものを感じません。きっと、単なる男女の関係ではない、それこそ「家族」のようなつながりが根底にあるからだと個人的には思います。「ラノベは二巻が大事」というのが自分の考えですが、いいなぁこのシリーズ。今の面白さを保ったまま、長く続いて欲しいと思います。