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モノレールねこ (文春文庫)

価格: ¥530
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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大好き ★★★★★
加納さんの「月曜日の水玉模様」を前に表紙みて
かわいいから買ったけど、内容はすごく面白かったので
今度は加納さんの「モノレールねこ」を表紙の猫が
ぶっさいくだから思わず買いました

どれもすごくおもしろかったけど
1番好きなのは
「バルタン最期の日」
ザリガニが主役でザリガニ目線で話が進む
サリガニの語り口がすごくおもしろい
笑えて泣ける・・・いや、最後は号泣しちゃう感じで
ザリガニが愛おしく思えました(笑)
著者の魅力を一度に。 ★★★★★
本書の著者、加納朋子さんの魅力とは何か。
それは日常のなかでの些細な謎と、人々の暖かさと、それを見出す優しい著者の視線だと思います。

本書はその作者の魅力をいっぺに味わえる作品。
著者の作品をはじめて読む人に、最初に薦めたいと感じる作品でした。

どの話も本当に泣ける。3ページ進むごとにホロリ……というのは大げさかも知れませんが、それくらいの感動はありました。

さて。加納さんの作品が初めてだという人に、本書を薦めたいのは、「感動」以外にも理由があります。

それは、作中の「シンデレラのお城」です。

読んだ方なら分かると思いますが、他の短編とは明らかに趣が異なり、ほんのりダークな作品となっています。ですが、この雰囲気も加納さんの魅力の一つには違いないのです。人が背負っているものは優しさだけではありません。当然、暗い部分も背負っています。当然です。それをふまえた上での、「優しさ」に感動があるのです。ただ「暖かい」「優しい」だけでは感動できないんですよ。
ある意味、人間くさい傲慢さ、計算がなくては「感動」にはならないんです。

余談ですが、「シンデレラのお城」はどこか『コッペリア』にも似たダークさを感じました。

では、どうぞお手にとって表紙を開いてくださいな@
上手な作品はあまたあるが、心がいやされた作品 ★★★★★
上手な作家さん、すばらしい作品はあまたある。元気な時にはそういう作品を読もう。
この本はそれほど期待していなかったが、読んでいるうちにすーっと心の中に入り込んで、じわじわと心をいやしてくれる。
自分が忘れていたこと、知らずに傷付き、傷付けていた親子関係。さりげない筆致の中に、人と人の摩擦や隠されていた秘密、ダメ人間の弱さと素晴らしさを気づかせてくれる。
思わずわーっと泣き伏し、許しを請いたい衝動に駆られて、時々本を置き、胸の内をそっとなでまわしてみる。
疲れて気が弱くなっているような、そんなときにこの本を読んでみてください。
優しさあふれる短編集 ★★★★☆
 「ななつのこ」など、日常の謎をさわやかに書き綴っている印象のある加納朋子さんが、家族や生と死といった重くなりがちなテーマを盛り込んで書いた短編集。

 表題作「モノレールねこ」は庭に現れたでぶっちょの野良猫を通じた奇妙な文通を描いた作品。ラストでサトルがタカキに仕掛ける行為が個人的には大好き。
 「シンデレラのお城」は偽装結婚した相手の男性には、目には見えない婚約者がいたというお話。奇妙な同居生活をつづける中、彼女は自分が抱えていた傷に再度向き合っていく。ラストのちょっとしたどんでん返しが効果的。

 どの作品も死に接したときの優しい視点が加納朋子さんらしいなぁ……と思ってしまいました。
解説は大げさ。 ★★★★☆
本書は作者得意の連作短編ではなく、8編のそれぞれ独立した短編からなり、その構成の点から見て『沙羅は和子の名を呼ぶ』が従来の作品群の中でもっとも近く、オカルト話を数編交えている点でも雰囲気もかなり近い。『沙羅は〜』と異なるのは、本書はミステリー作品集ではないという点ぐらいか。
ただ、『沙羅は〜』に較べて本書は暖かみのある作品が多い点、ずっといいと思う。

本書に登場するのは人間だけでなく、ねこもいれば犬もいるし、最終話では何とザリガニが主役を張っている(笑い)。
皆、それぞれに一生懸命生きていて、時には自分を励ましながら、また時には自分をも騙しながら、涙をこらえ無理に笑顔をつくり、そうしてけなげに頑張っている人(と一部動物)たちの物語ばかりで、どの話もそれぞれにせつなく優しい。

その中で好きなのが、ダメオヤジの話に終始する『ポトスの樹』。
子供のこづかいや給食費をちょろまかし、ラジコン・カーは壊す、遊び相手になれば手加減知らずでケガばかりさせ、子供が川でおぼれかけていても助けようともしない、そんなオヤジに対する恨み辛みのエピソードが延々語られるのだが、それが何となく(他人事だからか)楽しげでに見え、最後に一発逆転というのも痛快。
よくよく思い返してみれば、本書の中で純然たるハッピー・エンドはこの話と『パズルの中の犬』だけで、自分はつくづくハッピー・エンドが好きなんだなと思う。

なお、「まさかこの歳になって、ザリガニの話で泣くなんて思いもしなかった。」との巻末解説は、本書を売らんがために大げさに書かれたものであざとさを感じる。いくら何でもそれはないだろう。
ただ、泣きはしなくても、あっさりと潔いエンディングはいいと思う。