『ドゥイエンヌ(兄)のお供編』が大掛かりな計略で完結
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表紙はディレイ&ウェルネシア。これで遊撃小隊の全員が表紙を飾った。しかし今回も絢爛な兎耳鎧兜である。しかもオーダーメイドなのかウェルの鎧は胸回りの意匠に違いがある(巨乳仕様?)。今回も表紙で楽しめる第8巻だが、本編は前巻からの続きで露天風呂からの脱出に始まり、窮地に陥ったコリントゥスを救済する過程でちゃっかり白兎騎士団の領地を増やしてしまう、危うくもオイシイ話である。しかも、ただ領地化するだけでなく、今回の作戦上、極めて効果的かつ重要な拠点として機能している。今回もガブリエラの奇策が、これまた実に「らしい」展開で奏功したということで、手に入れたものを恒久的に維持させることの難しさを示しながら、徳のある人物が窮地に立たされた際には、日頃の人徳が我が身を助けてくれることをも示唆する含蓄ある物語でもあった。ただ作戦自体はなかなか始まらず(P.270くらいから)、それまでは作戦会議や作戦実行のための下準備、遊撃小隊以外の動きなどに頁が費やされ、シリアスになりそうなところをメンバーの明るくかしましいやり取りや余談を交えて面白可笑しく進むのだが、現状分析や状況の整理として同じ事柄や項目が何度か繰り返されるのがやや冗長に感じられた。それでも全体としては大変面白い話である。
今回はダルタニゥス兄さんも、その軽薄な素性(?)を抑えて大国の外務卿補らしい振る舞いを見せていたが、ガブリエラの底知れぬ能力を目の当たりにしたことで、その「妹バカ」な想いから何かが、具体的には妹の将来を危惧し、最終的には退団に至らしめる何かが動き出す予感を萌芽させている。あと、今回は活躍のなかったアスカの、必要な情報を得たらさっさと退団するという自らの思惑はしばらく成就しなさそうである。今回は遊撃小隊に対して別動隊的な位置付けだった割にレフレンシアの行動が目立っており、挿絵も多く(この世界でのメイド服姿まで)描かれている。また、『ガブリエラ戦役』の場面ではアルゴラ隊長が素敵過ぎる行動で笑わせてくれる。もぅ出てくるだけで笑える人になっちゃったなぁ。
大作の域!!
★★★★★
火魅子はダラダラと話が続いて結局ラストも中途半端に終わりましたがこの鋼鉄の白兎騎士団は長くても2巻で1つの話が終わるのでスッキリしていいですね!
8巻はコリントゥス編の下巻で動き出した運命の糸車が本格的に加速する前の慣らしみたいな巻だと思います!途中出てくる現在の話が味を出していて読んでいて飽きさせないのもいいですね!現在の話で好きなキャラであるアスカが団に残っていたのも嬉しいです!あとドゥイエンヌの団退団のきっかけとなる部分も出てきましたね!
でも謎もまだ多いです!例えばデイレィの過去とかです!この巻で出てくるレフレンシアがやっていたやんちゃも気になります!それにアスカがガブリエラ戦役までいるということは戦役までにアスカ関係の話も入るはずなんでそれらがどんなモノなのか今後のお楽しみですね!
それにしてもアナやライラントはこれだけ話に出るので顔が見たいです!私としては鋼鉄の白兎騎士団は1番アニメ化してほしい作品です!けど火魅子は本当にあれで終わりなんですか?