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蛇の卵 (特別編) [DVD]

価格: ¥3,990
カテゴリ: DVD
ブランド: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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「イングマルだったらこううゆうね!」と、敢えて「ゼータみうらじゅん」させて頂こう ★★★★★
「しかし、憎むのならば『憎悪』の『対象』が
必要だ。『誰』を憎む?それとも、a person ではないのか。
a people か。」

「そうだ。『彼等』だ。我々の怒りと憎悪を
受容すべく『生贄の山羊』として2000年前から
その役割を担い続けてきた者達だ。」

「『彼等』をスケープゴードにして『誰』が得をする?」

「無論、既に『儲けている連中』だ。しかし、
『連中』の事等知った事では無い。重要なのは
我等の怒りと憎悪だ。」

・・
デヴィッド・キャラデインによるオーディオ・コメンタリに
よれば、クライマックスでの医師と主人公の場面で
主人公が2分間ぐらいの「政治的スピーチ」を
打ち噛ますシーンがあったそうだ。だが、この部分に関しては
制作のデ・ラウレンティスが激怒した為、映画本編では
主人公のキャラディンは「沈黙」したまま、
1922年伯林の夜の中に行方を晦ます。

1977年の作品。「『沈黙』しているのは『神』」でもなく
「『沈黙』しているのは人間」でも無い。
人間に「沈黙」を強制するのは「別の人間」であり、
その人間も、また同様に「沈黙」し続ける。
詰まり、実在するのは「複数の人間」と「言葉」と
「沈黙」と「札束」と「暴力」と「血飛沫」と
「人間の死体」と「馬の死体」と、あと「初音ミク」とか。
邪悪なるものの感染、潜伏期間。 ★★★★☆
中が透けて見えるという蛇の卵。

邪悪なるものが生れる前兆を、徐々に狂い始める社会に怯える主人公を通して伝えています。

この主人公の言いようのない怯えの演技、、人体実験をする博士、、つまり、、邪悪なる心と思想が、知らない間に人々の意識の中に入り込み、、、そしてその邪悪なる心と思想に影響された同類が、知らない間に自然に増殖してゆく、、、。

その言いようのない恐ろしさが、、伝わります。

映画の最後の方で、ヒトラーのナチ隆起失敗というニュースをドイツ人の警察が、主人公に伝え、ドイツ民主主義を甘く見たな。。とつぶやきますが、、、主人公はそんな、正義の勝利のニュースにも不安を感じ、姿をくらまします。。。
ナチの隆起失敗は、悪もまだまだ胎児で、、、たまたま、陣痛は始まっているのに誕生が少し遅れただけだからです。、、その後世界がどうなったかは、我々の知るところですね。。

得体の知れない、人の心を奪う病気が知らず知らずのうちに、感染し、潜伏していく、、、そんな、恐怖と不安の演技が素晴らしいです。
病気なら、ワクチンを開発すればいいのでしょうけれど、邪悪な心や思想に対してはワクチンなどありえない、、というところが、とても怖いですね。。。。

物事は起こってからでないと語れず、そして歴史は後からしか知ることしかできませんが、、、この映画は起こる前の、「感覚」を我々に感じさせてくれます。

この映画、見ている最中に、不安を感じたり、違和感や、異常感を感じていましたが、それが、なんに対しての不安や違和感や異常感なのかは、なかなか分かりませんでした。。終盤においてようやく、なんに対してなのかが分かり始めたのですが、、、そういう意味でも、、非常にリアルです。。。
つまり、世の中が狂い始める時ってきっと、なんか変、違和感があるって思いながら、原因がつかめないんだろうな、、、って思うからです。。

この監督じゃないと創れないでしょうね。。

ちなみに、、、この映画オールセットらしいです。。。
じっくり、時間をかけて理解したい。それが、ベルイマン作品。 ★★★★★
戦争を扱った映画は、
あまり好きではありません。
でも、ベルイマンの作品だけは別です。
ことに「蛇の卵」は秀逸。
戦争やヒトラーへの憎悪を超え、
歴史を後から見ることしかできない不気味に
衝撃を覚えました。

時は1920年代、ベルリンの冬。
人々は時代の空気に怪物(=ヒトラー)の予兆を感じ取っている。
まるで薄い殻の中にうごめく、邪悪な生命を感じるように。
暗く、濡れた鋪道、不安を押し殺した無表情な群集。
絶望の気配が、ベルリンという街の映像から、深々と伝わってきます。

主人公アベルを演じるディビッド・キャラダイン。
この俳優の「怯え」の演技が素晴らしく、
その見えない恐怖に伝染していく恋人マヌエラのリブ・ウルマンもまた良かった。

当初、この作品に懐疑的だったウルマンは、
後年改めて観て、その素晴らしさに感激したと語っていました。

やはりベルイマンの映画は、
ただ見たいからという理由だけでなく、
見ておかなければならないという気持ちにさせる何かがあります。

同じく劇場未公開の「恥」「狼の時刻」とあわせて、
単品化を心待ちにしていた1本です。