余韻の大きい短編がひしめく
★★★★★
どこから読んでもいい短編集ですが、やはり第一番目を読んで満足するかどうかで価値が決まるようです。本書の一番面目は南米が舞台でじわじわ読ませてくれました。30分ほどで読んだ後、遠いところへ行ってきたような気になってぐっすり眠れました。短編ミステリとはかくあるべしという模範でしょうな。オットー・ペンズラーというミステリ評論の大所がエルロイを指名して編集したというものだけにノワール系が多いようで、とにかく読後の余韻が大きいものばかり。適度に疲れます。まさにハーレム・ノクターンです。