インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ロッパの悲食記 (ちくま文庫)

価格: ¥777
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
Amazon.co.jpで確認
喜劇人ロッパの運命を左右した食の記録 ★★★★★
衣食住に、喰う・寝る・遊ぶ。食欲は人間の三大欲求なのであるからして
【食】をテーマに書かれた著作物に古今東西、名作傑作が多いのも当然の事であろう。

数多くの【食書】の中でも群を抜く面白さを持つ一冊がある。
昭和初期に喜劇の王様・榎本健一(エノケン)と並び称された喜劇人、古川緑波(ロッパ)。

この人の書いた悲食記は戦争末期の昭和十九年、全国的に食糧難の時代に、
ロッパが自身の持つ人脈と金脈を総動員し、なんとか美味い物にありつこうと東奔西走する様が
克明に描かれている怪作だ。恐るべきは、ロッパの食への執着!!。

例え戦時中であろうとも不味い物には目も呉れず、ひたすら美味い物を喰し満腹感を得ようとする。
ふぐを60人前食べたり、滞在中のホテルのメニューを上から下まで全部平らげたり。

そればかりか、少しでも多く割り当てにありつこうと、
帝国ホテルからの食券を自分と付き人二名分用意させた上、
付き人には一口も喰わせず、「許せ!」とだけ書き記す暴君振り。

そんなロッパが何でも存分に食べられる様になった戦後には人気を落とした事。
料理店から大好きな西欧風の味わいが消え、アメリカ風の味付けばかりが流行ってしまった事が

皮肉だ。まさに悲しい食欲の記録。日記の所々、ロッパが食から得たエネルギーの全てを
喜劇に注いで来たのが透けて見えるのも興味深いです。
ただ、ひたすらに美味しいものが食べたくて。 ★★★★★
偉大な喜劇俳優の食日記&随筆です。
前半の悲食記は戦時中の日記です。戦争中なので、美味しい物が何もない。
それでも、探す。探す。戦前に食べた、素晴らしい食事の味が忘れられなくて。狂おしいほどの、彼の食べ物への執着が胸にじーんと来ます。
その次の食談あれこれは食べ物に関するエッセイ。大人の味です。意外な?
作家先生との食の思い出も。
さて、後半は昭和33年の食日記。もう日本は平和、美味しい物が好きなだけ食べられます。緑波さんの食に関する知識は半端じゃないです。味へのこだわりもすごい。生き生きとした文章に、こちらも食欲をそそられます。