クイーンの作品には意外に少ない密室を扱った本格ミステリ。思い通りに働かそうとする兵器会社の社長と、それに負けじと意地を見せながらも、多くの制約の中で調査が進まず常に後手に回り困惑するクイーン父子との対立ぶりが一番の読みどころ。密室トリックも十分に満足できるできばえで、その解明の場面は迫力満点。読んで損のないミステリです。
犯人を絞るために被害者の過去を探るシーンが秀逸