・これが人生に対する私の不満である。-生きているときは、だれもがすこぶる簡単にひどい間違いをしてしまう。
・誰もトロイのヘレネにリンゴを与えはしなかった。-少なくとも賞品としては。
・私は死んだ
だが、死ななかった。
・父は子供を信用して火気と実弾をあずけた自分の罪を、その請求書が来る前に生産するつもりだった。 なんたる気高さ!
・ココ最近、大勢のアメリカの女性が口にしている不満は、煎じ詰めればこういうことではないかと思うー彼女たちは、自分の人生が物語りとしては、不十分で、エピローグばかり長すぎることに気付いたのだ。
その人生は悲劇的なのに,なぜかおかしい。笑ってしまいそうになる。
それはこの主人公が人生に愛情を持っているからだと感じる,自分の家族とその周りの人々を心から愛している。
ヴォネガットがユーモアという手法を取り入れたのは物事をシニカルに見ると新しい面が見えてくることを知っているからだろう。
シニカルに物事を見るという正面からではなく「ななめ」から物事を見るということだと思う。
悲劇を「ななめ」から見ると喜劇になるのです。
そんな,画期的な小説。
ヴォネガットのいいところは、そういう深刻な話を、
笑いたっぷりに読ませてくれるところ。
まさに、人生何が起こるかわからない。
でも、他人のことだから、笑えるって感じです。