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マーラー:交響曲第5番

価格: ¥1,890
カテゴリ: CD
ブランド: BMG JAPAN
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こういうマーラーを「現代的な演奏」というのかな。 ★★★★★
蜜月の関係と言ってよいジンマン指揮とチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団によるマーラー・シリーズ。交響曲第5番は2007年の録音。

既に他のレビュアーの方からも適切なコメントがあるが、ウェルバランスで見通しのよい演奏だ。演奏全体の印象は柔らかめのマーラーといった感じで、例えば終楽章のホルンの響きなど、なかなか聴けないぐらいのデリカシーを持って響いている。「デリカシー」というのも難しい言葉で、これは当然のことながら弱く吹くというだけではない。細心の注意を払って、周囲すべての情報量を的確な配分で理解し、そこに自分のポジショニングを冷静に見出し、自然に自らを置く・・・、と「くどく」説明するとそんな感じである。これは何もホルンに限らず、この演奏がそういう演奏で、その部分が象徴的に感じられるということだ。

第1楽章冒頭のファンファーレも、厳かでありながら柔らかく、その印象は「洗練」という言葉がぴったりかもしれない。管楽器陣はやや控える趣だが、これも先ほどの「デリカシー」を持ったポジショニングと思う。激動するようなクレッシェンドでは、たしかに楽想は激しくなるが、音と音の間隔が常に一定の距離感を保っていることで、全体の透明な印象、楽器の音色の把握しやすさに繋がっている。

第3楽章もこれくらいクールにやった方が聴きやすくなる。劇場型のバーンスタインと対照的。バーンスタインの棒ではここが緩む。囲碁用語で言うところの「緩着」である。同じ劇場型(と私が思っている)ではプレートルが数段ウマいと思うのだけれど。

高名なアダージェットも耽美性より明朗な叙情性を引き出した感があり、ある意味健康的である。他の録音ではシャイーの録音が当盤に比較的近いものかと思うが、シャイーの解析はもう少し鋭角的で照射角度が異なるイメージだ。また、当盤はブーレーズのようなドライな演奏とも違う。まろやかで透明である。

このようなスタイルのマーラーは、確かに「現代的」というイメージを抱かせる。良好な視界、音の明瞭な把握とともに、流線型のフォルムが、現代技術を反映した建築物やIT機器〜その機能性やスタイル〜から受ける印象と似通うものがあるのだろう。熱演爆演を期待する人には不向きだが、私にはとてもしっくりくる、落ち着いた録音に思える。
「アルマがイチコロも納得」のびびびびっ美演!!! ★★★★★
先行レビュアーに全面的に賛成。

とにかく細部の磨き上げと、それを弥増しにする抜群の録音!

アダージェットは、さすがにお高く留まっているアルマもイチコロでんなあという美しさ!!
しかし、こんなに奇麗な音楽を作っても、時は過ぎ行く。時間藝術の宿命であろうか? 
妻アルマの秋の空の如き心は・・・・。

バーンスタインでは汗臭くていかん! 命がけで表層美に賭けた驚くべきアダージェット!!
これを聴いていると全てに対するやる気を失う。それがマーラーの素晴らしいところであると全く得心がいった。これこそが藝術の意義であろう。前向き元気、夢を持てなど藝術の敵だ!

2011年のマーラー没100年へ向けて、ジンマンのマーラー演奏が大いなる愉しみとなった(今年はショパンとシューマンが生誕200年)。

ただし、終楽章のみは曲が嫌いなのでリモコンで飛ばして聴いた。
うねる語る身悶える すごいです ★★★★★
語りますね。低い弦とかヴァイオリンのG弦でうねるところなんか、もう身悶えるようです。もう一歩いくとねちっこくなるところです。
身悶えるようなうねりとはいえ、ズブズブになるのではなくて、細部が良く聞こえます。特に低い音の粒子がよくわかります。これは単に録音だけではなく低弦に対して細心の注意を払っているからだと思われます。
それからジンマンの面白いところは、一つのパッセージが幾つかの楽器の受け渡しからなっている部分で、自分はこの括りでこのパッセージを理解している、だからこうしているんです、という感じで、パッセージのどの部分がひとかたまりなのかがわかるような演奏をするところです。もちろん、これはどの指揮者でもやっていることですが、きり方が明確なので面白いんです。あとディナーミックが一味違います。そうくるか、という意外なアクセントとディナーミックの変化があります。例えば、第3楽章の5分前後はその一つかもしれません。もちろんこのようなアクセントなどの変化は特定の場所がどうということよりも、それを取り巻く前後の準備とフォロースルーからなっているので、全体感としか言いようはないかもしれません。
この交響曲は「オーケストラのための協奏曲」と言ってもいいようなソロのパートの山脈ですが。トーンハレのソロの能力は高いです。ともかく確実です。特にホルンのソロが冴えます。

さて、指揮者がオーケストラを統率し、オーケストラは技を磨いている。このようなことはもしかすると当たり前なのかもしれませんが、でもこの録音ではオーケストラをジンマンが「引っ張って」いることは確かで、近時、妙な民主化でダメになっていく指揮者とオーケストラが多い中で、本物の総領となるべくしてなった近年稀なジンマンという指揮者がオーケストラを猛烈に牽引した結果というべき演奏です。すばらしい