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倫理21 (平凡社ライブラリー)

価格: ¥882
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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論争的・闘争的 ★★★★☆
 現代倫理学で主流になっている英米系の功利主義哲学をワキに置き、カントの『批判』の読み込みによって論を螺旋状に進めていく「倫理学エッセイ」とでもいうべき1冊。論壇の大御所らしく、関連する広範な領域での先行論考のエッセンスを的確に掴み出しつつ、すべてをご自身の言葉で咀嚼して明快に主張を重ねるという展開で、その意味では、倫理学の概説書というより、独立した思想書といったところ。眼目はたぶん後半の「天皇の戦争責任」論で、それを含め、内容は至るところ論争的・闘争的。ハーバーマスやアーレントのカント解釈は間違っている(87頁〜)みたいな、あっけらかんとした「断定」もあちこちにあって、その辺も大いに楽しめた。
柄谷行人の入門書!! ★★★★★

専門用語が出てこないので予備知識のない門外漢の私でもスラスラ読めました。
また口述調で書かれていて、平易な口調で語られていますが倫理・道徳に対する眼差しの鋭さには参りました。

メディアの報道姿勢や、世間の反応についてサカキバラ事件や
円地文子の『食卓のない家』を例にとりながら厳しく批判されています。

メディアの倫理とはなにか、また世間に必要な倫理・道徳とはなにか
様々なメディアから大量の情報を受けとる現代人にとって、情報をどのように見て、感じて、判断するかという
いわゆるメディアリテラシーは決して欠くことのできないものでしょう。

メディアの報道や世間の反応に少しでも違和感を感じた方はぜひご一読下さい。
その違和感の本質を僕らの目の前に広げてくれるはずです。
中高生の青臭い問いへの回答、とも読めなくもない ★★★★★
「人間はいかにして生きるべきか」というようなテツガク的?な中高生の青臭い問いへの回答、とも読めなくもない(気がする)本です。最初に読むべき柄谷本です。著者の本としては比較的読みやすい内容です。一読すれば世界の見え方がガラリと変わります。次に読むなら、講演集の『言葉と悲劇』『〈戦前〉の思考』なんかがオススメです。
括弧に入れる ★★★★★
若いころ、マルキストだった友人が、色んなものを括弧に入れていたが
柄谷さんもそうだったのか。
その頃は、括弧に入れる意味もしらんかったけど、
今回、この本を読んで、初めてわかったような気がする。
哲学のやり方と人間を人間たらしめている倫理を同時に
説いていくのだから、柄谷さんという人は恐ろしい人だ。
カントなぞ読んだことはなし、「よーい、よーい、デッカンショ」
の「カン」の部分がカントだということを聞いた気がする程度であったが
後代の人が括弧に入れたものと正面から向き合った人であったのだなあ。
若き日の友人に聞きたいが、マルクスが括弧に入れたものを
君はどう折り合いをつけている?
「自由たれ」
「他者を手段としてのみならず、目的として扱え」
なんてシンプルで納得性のある<倫理>なんだろう。
カントと自由が結びつかず、「自由を語るな、不自由な顔で、君は若いというつもりかい?」
なんて歌詞が頭に浮かんだが、
マルクスが括弧にいれていた、この<倫理>というものを
20世紀共産主義運動が擱座した世界で、
今後、どのように実現されていくのか。

「昭和天皇に戦争責任があるのは当たり前」って明確だった。
拍手
どういう意識を持って読むかによるが ★★★★☆
倫理という問題について、自由や個人、社会などと
絡めて深く掘り下げていくというのが、大筋。

原因と責任の区別など思考の整理としては有意義な一冊。
具体論についてはそれほど強い説得力を感じなかったが、
この手の議論を書いたものとしてはかなりわかりやすいかと。

カントに依拠しすぎているのと、他説への
批判がちょっと過ぎるんじゃないかという気もします。