インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

進化し続ける植物たち (植物まるかじり叢書 4)

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本
ブランド: 化学同人
Amazon.co.jpで確認
植物進化の知的ドキドキ ★★★★☆
 従来、生物は5界説といって、動物・植物・菌類・原生生物・モネラに分けられていた。現在、原核生物のモネラ界を除く真核生物を8つのスーパーグループに分ける考え方が有力だ。

 植物はその一つで、動物と菌類は一緒に別のグループに属する。残りの6つのグループ中4つに、葉緑体を持ち光合成を行う生物が含まれる。これらは2次共生により誕生した「植物」で狭義の植物とは異なっている。他にも植物に見える奇妙な生物が存在する。

 植物はコケ・シダから裸子植物・被子植物と進化してきた。大きな影響を与えたのが、大陸移動であり気候変動である。これらの関係も徐々にわかってきた。そのツールとなっているのが、ゲノム解析である。花をつくる遺伝子ABCモデルが提唱されている。この遺伝子がシダやそれ以前の藻類にも見つかっており、担ってきた役割が推測されている。

 びっくりしたのが、最終章「植物と微生物の共進化」である。8割の植物がアーバスキュラー菌根菌という菌類と共生している。その由来も4〜5億年前の植物の上陸時まで遡るという。この菌は植物から栄養をもらい、お返しにリン酸を効率よく吸収して宿主植物に供給している。さらに驚くことは、種々の植物が共存する地下で、菌根菌が菌糸でつながりネットワークを築いているというのだ。このネットワークを通じて、植物同士も情報や物質のやり取りをしていることが議論されている。

 テーマが広いため焦点を絞りきれていない感もある。とはいえ、この本を読みながら久しぶりに「センス・オブ・ワンダー」の知的ドキドキ感を味わうことができたのである。